みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

2021-01-01から1年間の記事一覧

おれの本棚に気をつけろ!(part.2)

またしても本棚がいっぱいになってしまった。あとひとつだけ買いたそうとおもう。 スマホ・カメラの性能がわるすぎてピンボケしか撮れない。 最近、買ったのはベンダースの写真集と、ジム・トンプスン「漂泊者」。 ブコウスキー。 勝川克志の漫画メイン。 DV…

それらしいふるまいをやめる[may/'21]

www.youtube.com 05/01 酒に潰される。いつもの失敗をまた再現する。田中修子から歌集購入の話。サイン入りで誤植があるものを半額で送ることになった。 05/02 サローヤンの短篇集「ディア・ベイビー」を注文した。 05/03 「STYLISH COLLECTION ルパン三世・…

Kindle電子書籍、販売中

Amazonにて5作品を販売中です。うち、4作品は内容を改訂致しました。よろしくお願いします。画集についてはメモリ不足のため、増設してから再度データをつくろうとおもいます。 終夜営業|Open 24 hours|発送受付 (a missing person's press) 作者:中田満帆…

チャップブック詩集第2弾、「植物図鑑/最期の戦い」販売開始

あたらしい作品集をだします。チャップブック詩集第2弾です。¥1100 「植物図鑑/最期の戦い」収録作品: 茫洋 Bald Mountain 新年の眼 Romantic Discharger 転落 Nastassja Kinski real gone 映像についてのメモ wolf moon 公営プール 愛についての短詩篇 …

遠ざかる肖像たちへ

* ジム・トンプソンが殺される ファッションはキュート、でもダーティー 宇宙服で着飾ったブッシュマンが標的にされて久しいけれど、百貨店は脚韻の世界だから、製氷皿を片手にハバナを恋しがるのをだれも止められない 涙が溶接されるとき、天国の中二階で…

意識

サーカス場が解体された上津台の空き地で おれは買ったばかりのヘヴンヒルを呑む まさに天国の丘だった、 16年まえの光景 意識はいまその時代を漂う おれの心臓、 おれの手指、 銀貨と見まがうほどのワッシャが土のうえで眠るのは、 たぶん心臓の形容詞だっ…

旅の手帖/C-17

憂鬱な肉体が流動体を査問にかける 足跡を喪ったきみの婚姻を夢想しながら大陸熱に魘される夜 秘密はそれ自身が立体であると証明することになる ならばと匕首に手をかけ、 半身を凍らせる力学が未成熟な魂しいの果てで減価償却費を払えないでいる 理由のない…

月の光り

* 児戯すらも思想足り得ん雨の午后訪れたるを危むるまでは 撮影者不明の女ひとりおり素行調査の夢はふくらむ 逃げ水の輝く晌──繋船の窓にわれいる不在のために 苺月熟れる梅雨かなあじさいの花の盛りに埋もれるひと 梅の木のあふれる私恨道半ば斃るるままに…

ポルノ・シッピング

もし、おれを愛してくれるなら なんだってオッケーさ おれを裏切って、 使い棄てにしてもかまわない きみが通り過ぎるときを あれほど長い時間待ってたんだから だからぼくに似合う渾名をきみからもらいたいんだ 雨がいますぐやむようななまえが きっとおれ…

a song without birds

* 夜の羅針盤に星が侵入した咎で、ミートマツダの主人が逮捕されるのは、これまでぼくが撰んだもののなかで最高の悲劇 陰謀論者とカールスバーグで鯨酔したから、とても大きな鉤で吊された叔父たちが、消えかかった寄る辺を頼りにして自衛官のコスプレをし…

a something for rainlang

* それからスロットマシンが遅れて到着した どうやら帽子に凝っていたようで、ハンチングのなかで笑顔を湛えながら、「27498」と呟きながらギュンター・グラスを読みだしたので、その頭をまずは打擲、最初の海に口をつける おれは半年まえ、婦人売場で水球…

疫病時代の夢(not found : story)

* 欲しいものはつよい繋がり、あるいは拳銃。モーゼルあたりがきっとぼくには似合うだろうと当りをつけた。すべての女は、男からまともな頭を奪い去ってしまい、それきり帰っては来ないということに、もう15年以上も悩んでるのはたぶん、ぼくが過ぎ去ったこ…

電話

ホイットマンみたいにおれは呼びかける 声よ、 夜よ、 溶接工よ、 草の葉よと 標のない夜の、裸体がひらく、ひらく、ひらく、 うごけない標的、バスキアの夜の図表よ、 立ちあがる、 勃起する男性よ、 待ちながら手を焼かれる、1千万の秋よ、もどるな でも、…

映像機関説

* わたくしごとなればセロリ青しといいこれを䈭める暮らしの手帖 ゆく春に語るものなし倖せな大人でいたいという欲望よ 夢ならば天使の頭蓋抱えつつ燃ゆる七月藍く塗りたし 願いすらなく索漠のうえをゆく一言居士のような心臓 花月のみどりの化石 愁いとは…

the daydreaming in a young town

* ユートピア幻想のなかで黙殺されるベールの女たちが 神をたずさえてマーケットの入り口に立つのは殺人者のいない午后 むきだしのマトンをジャンプしながら少女が店員を蹴りあげる レシピはたやすい 人造バターで肉を炒めて、バジルを添えるだけでいい 腕…

tell me, bedtime story

かの女は夢の隠語 かの女は愛の代名詞 そしてくずかかったおれを見棄ててしまう、 見殺してしまうなにかだよ、「ユカコ」 バウハウスの故郷の果てで摘み取った林檎が、 葡萄でなかったという理由だけで射殺される未来にまで かの女は侵入しようとするのか、…

32. am

愛の赦しを得られないまま大人になってしまったからか 子供時代の火花がおれに降りかかるのはたぶん諦観だ 大きくなりすぎた瓜を母が始末する 水だらいのなかの信仰、 そして懐疑の果て、 すべてがすべてらくしくあって、すべからくの誤用をふと信じる虹霓 …

天体妄想(1)

www.youtube.com www.youtube.com * Don't call me "past". ('cause) I wanna live to "now" * 夢の断片にいくつかの扉があり、黒人の運転手は窓から垂れた腕で、車体を叩きながら急発進する。女は慌てて、札束を外套に包んで車を追いかける。ハマナスの唄…

からっぽのコップを見つめる [April/'21]

www.youtube.com 04/01 夢/妹がおれの本を埋めてしまった。そしてポルノを暴露した。おれは怒るも、Uがおれを面罵し、そしておれはかれを撲る。U曰く、中学時代ずっとおなじクラスだったのは、教師による監視で、仲良くはなりたくなかったが、仕方なくつき…

被造物の夢

* ひとりのみはぐれて歩む道ならん逆さにゆらる空中ブランコ さみしいといえぬわが身の刹那すら春の空気が洗う午後かな くちぐせになりしなまえを忘れたく夜のむこうへ「さよならユカコ」 ビロードのようなまなざしひるがえる真昼の夢の足跡あって 横たわる…

mental floss

www.youtube.com * 午后9時から、地獄のモーテルで結納式を始めます 新郎は裁断機のなかで鰤の肖像を描き、新婦は米櫃のなかで猫いらずを精製します また仲人は土地の買収に失敗したために養老院の入り口で三角法を学ばれています 是非ともみなさま方におか…

音楽について

空間的な音楽が侵入する夕暮れの室 レコード・プレイヤーが落下する速度が必要だから父親を殺すのは愉しい たぶん連結部の毀れた市電がまぶしい採光のなかで乗客たちを愛撫するのに疲れてしまったから おれはとても淋しい 破壊された偶像とベーコンエッグサ…

泳ぐ

魂しいは泳ぐのが好きだとミショーはいった 薄汚れた本が、背表紙がわらう 伏射の姿勢で本を読む午后 またもおれは読者を失う くそったれどもの面の皮を剥がして、 風船で飛ばしたい 河は愉快だ おれは漂流物みたいに室のなかにいる 19歳からずっとつき合い…

最後の一匹

www.youtube.com 粉末ジュースを呑みすぎた少年時代のおもいでが、 後頭部でフラッシュバックしながら遠ざかってしまうとき 晴れがましいほどの青さを浴びながら、 クロスワードパズルの答えがわからない老人たちよ 問いかける、 侵された領土みたいにもの憂…

A Boiled Cocker's blues

深夜の生田川にはだれもいなかった 桜はあらかた散ってしまってる おれは口癖をいった ユカコ かの女のなまえを忘れるまでの距離はマイル計算でいくらだ? はぐれものの歌のなかでいったい、なにが赦されるというのか? ──友だち? ──ただの記号じゃないか?…

だからって走らないわけにはいかない [’21/mar]

www.youtube.com 03/01 2時まえに起きる。なかなか寝つけなかった。明け方、少し眠ったような気がする。眠かったが、どうしても眠れずに起きた。7時まえだ。プロテインを呑んだ。こういうときは酒を呑みたくなる。きのうの夜にシアナマイドを嚥んだが、睡眠…

ブルームーンの流れる河

* ブルームーンの流れる河は、あなたのポケットのなか 粉末ジュースを呑みすぎた子供時代のような夜がそっと手をふって花になる朝 韻頭を失った詩がどこまでも誘うからか、スカートが皮膚を縫う 渓声がする水の涸れた森で、ふいに手を展ばしたところが宝箱…

偶成(Pt.1)

* 霧雨や切断面に花が咲く 林道の祭り囃子や子供泣く アメリカや混血児が河渉る 春の曲子供のひとりうしろ向く 花曇り女が土のように伏し 酒星も見えずひとりの酌をする 失いし浮世の夢のちまたかな 山の穴出ず一匹の迷い草 雲ひとつ握りこぶしのような春 …

ぼくがふたたび眠るころには

* 馬と檸檬を接続したい そんな気がして夜を歩く 逃れて生きる 意味よりも純粋な方法で、固有時を溶かす夕映えのロケーションがだれかの手をとって踊りだすホーム 体温のない鉛がなまえを欲しがるとき、悲しいほどのUSBがAからCに変わり、裏も表もない塊り…

発熱時代

* 発条の不在やひとりかくれんぼ発明以前の愛のまなざし 鏡との婚姻ぼくの手のひらが熱くなるなり ときめきテレパシー 花ひらく 蕚のなかをいま泳ぐ群小詩人と夢の諍い 繭眠る糸の一条われをまだ赦さないかのように搦んで なまえなくひとり不在の花撰ぶ学校…