魂しいは泳ぐのが好きだとミショーはいった
薄汚れた本が、背表紙がわらう
伏射の姿勢で本を読む午后
またもおれは読者を失う
くそったれどもの面の皮を剥がして、
風船で飛ばしたい
河は愉快だ
おれは漂流物みたいに室のなかにいる
19歳からずっとつき合いのある化学教師をしてる詩人に喰いものをもらった
冷蔵庫をいっぱいにして、おれは地階に降りてゆく
雨で充たされた通りを車が流れてゆく
あらゆる階層から叩き落とされた人間が助けを求めて叫ぶ
おれにできることはなにもない
普遍であることを赦されず、
そして愛にも与れない寂しさで、
おれの腹ははち切れそうだ
鯨の夢が砂漠を占領する
領地を掠める一羽の大鳥が
太陽の真下で融けかかってる現実