みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

腐敗性政治的猥褻物――映画「絞殺」と天皇制についてのちっぽけな戯れごと

* たったいま、聖なる睾丸を露出したまま、おれはモニターのまえでものを書く。最近はずっと映画と作劇の指南書を眺め、じぶんの至らなさをおもい知るだけだ。きのうは映画「絞殺」を観た。開成高校生殺人事件をネタにした新藤兼人作品だった。乙羽信子と西…

冷蔵庫のバックパネル

列車を降りてしばらく、かれはあたりを見渡してその味気のなさを噛みしめる。なんだってこんなところにとおもい、さらにはここしかないという気にもなった。やがて事務所兼寮にたどり着いて、ドアをあけた。机のむこうの中年の小男が立ちあがって、かれに握…

アルパカを逃がせ

* じぶんの人生の私家版をとっくのむかしに書きあげてしまった。育成歴、学歴、職歴、犯罪歴、なんでもござれだった。でも、その本はまったく売れなくて、今度の文学イベントにもたずか2冊だけ、タダで配るつもりだった。原価がかかり過ぎた。うぬぼれが過…

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環状線に乗って、じっくりと街を眺めた。そのとき、なんとなく覘いたタイムラインに頭のない女の死体を写したものがあった。頭のほかはちゃんと服を着てて、それまで生きた人物だということがわかる。どっかの地方の事件を研究した、発禁本のページらしかっ…

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金がすっかりなくなった。¥18,000はあったのに。そのうち、¥12,000はイベントの払い戻し、¥5,000は施しで、¥1,000はなんだかわからない。またも酒に溺れてしまってた。学習するということがわかってないのだろう。なんとか食料品の備蓄はしたものの、洗…

宿営地(*the repeat)

* ようやくたどり着いたとき、その家にはひとつの扉しか残されてなかった。黒い扉が立ってて、そのむこうには焼けぼっくりが広がり、おれたちの何人かは膝を折って、呆然とそれを見つめるか、うつむくしかなかった。おれはかまわずに扉をあけた。扉を支えて…

孤立のままに

* 花のない8月のひと日、その鬱憤、その連れあいよ、いまままさに拓こうとする不運の裂けめから、やがておれのなかに闖入してくる、さまざまな現実。そっからどうにか、眼をそらそうかと気を揉むだけの夜だ。おれは腹を空かしてタイピングしてた。手許には…

東京幻想

* 水の撥ねる音がする。暗い陸橋を高速バスで走りながら、ふと窓を見た。取り残されたみたいな丘のうえで、坐礁した海豚の群れが見える。でも、それは肩身を寄せ合って生きる建売住宅の群れだった。なんだか、さみしいものがこみあげた。バスは東京にいこう…

視姦容疑

店内アナウンスと監視カメラ、そして防犯防止鏡がおれを見つめる。乾いた土、夏の真昼。スーパーマーケットのなかでおれは酒を見てる。ワインコーナーにはだれもおれを見つめる者も、追いかける者もなかった。だから、そのなかから白ワインをとって、左手に…

救い

不運なほどになにものにもなれないで 御幸通を歩き、やがて小野浜公園にやって来る、 老人たちにまじって、 おれも炊きだしに並ぶ それだけの救い 人身事故みたいな事実の積み重なりのなかで、 花が咲く、 剪りとられ、 枯れる ジム・モリソンがステレオのな…

7月/july

07/01 7時40分に起きる。湯浴み。喰うものがない。日記を加筆して投稿。9時になったら口座を確認する。金が入ったら、公共料金の支払ののち、代引きで来るPCの分をとっておく。公共料金と代引きで¥46,000降ろすことにする。9時、コンビニで公共料金を払い…