みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

すべての距離

* われのみがひととはぐれて歩きだす初夏の光りの匂いのなかで ものがみな譬えのように動きだす暗喩溶けだす午前三時よ それまでがうそのようだとかの女がいうわれら互いに疑りながら つぎの人生あればたぶんきみを知らずに埋もれていたい うそばっかりで終…

風葬序説

* 百日紅 花の惑いにゆれながら猶新しき種子を撒くのみ 桜桃の枝葉の匂い 復讐はもどり道など断じていらず まさにいま風に葬られてゆくさまを叙述するのみ 風葬序説 からっぽの世界のなかで愛されて虚しさなどを具象する夜 駅いずれ世界の果てに残されて地…

酸模の茎 

* 連動する地獄の筵たなびいていままさに詠まれる夕べ やらず至らず試みずやがて溶けゆく意志たちのいま 水色の水充ちたればささやかな宴をともす深夜の酒席 心あらずも美しくあれ如雨露の水が降りそそぐごと 詩画集のなかに埋もれてゆく景色まだ一切を諦め…

センチメンタル・ジャーニー 

* わが春の死後を切なくみどりなす地平の匂いいま過ぎ去りぬ 感傷の色を数えるだれがまだぼくを信じているかとおもい 遠ざかるおもかげばかり道化師の化粧が落ちる春の終焉 夏の兆しあるいは死語のつらなりにわれが捧げる幾多の詩集 わがうちにそそり立つ木…

スケッチブック

* 垂乳根の母などおらず贋金のうらの指紋を眺むる夜よ 童貞の夏をおもいしひとときが飛行機雲となる快晴 水盥茎を濡らして終わりゆく五月の空をしばらく見つむ 父死なば終わるのかわが業も テーブルに果実転がる 陽当たりにトマト罐ひとついまだ未来を信じ…

演技論

* 同志不在なり萌えながら立つみどりたちやけに眩しく 地図上を旅する蟻よ思想なき犯意のなかのわれらが国家 期してまだ挑むことさえできぬまま遠くの海の潮騒やまず 鳥籠のかげが寂しくほぐれゆく夕暮れどきの落胆ばかり 監獄に夏蝶ひとつ放たれてわれは呼…

みな殺しの歌

* おいで おいで 呼ぶたびに消ゆるもの 来るものを拒まず ウォーホルの原色 死を孕む街のうらがわの果実なりき 葡萄食む子供の眸潤むなりわれは孤立を少し癒すか 荼毘に付すわが青春の一切をたとえ赦すものあれど 吹きよどむかぜのむこうに一輪の町が咲いて…

暗黒祭りの準備

* ことばなき骸の帰還御旗ふる男の腕がわずかに震るる もしやまだ花が咲いては切られゆくこの悔しみになまえを与う 水温む五月のみどり手配師がわれを慰む花もどきかな 真夜中の歯痛のなかで懐いだす星の彼方のささやきなどを 呼び声のなきままひとり残され…

新刊告知

これまでPDFの配布のみだった作品を販売します。 ぼくの雑記帖──未収録作品輯 www.seichoku.com 広告──そのほかの詩篇 www.seichoku.com ぼくの雑記帖: 未収録作品輯 作者:中田満帆 a missing person's press Amazon 広告: そのほかの詩篇 作者:中田満帆 a m…

大人になんかわかってたまるものか [Apr. /’22]

04/01 酒で大枚をはたいた。ずっとスプリットを呑んでた。まったくフルボトルの酒を買えば安く済むのに、わざわざコンビニで小壜を買うものだから、金が激烈に減ってしまった。 04/02 公共料金を払った。ギターナビの料金も払った。あきらかに金の使いすぎだ…