みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

断章

* おれはTwitterで、ほかの詩人たちと繋がろうとしない。ひとと繋がることになんら、神聖なものを感じたりはしない。鬱陶しい決まり文句をお互いに嘔いて、これからはじめる道連れになんら花を咲かす気にも、おれにはなれない。糞づまっているからといって…

天籟とピンボール

* 獅子神の蹄のあとに咲き誇る花があるらし血の匂いする やまなみに融けるものみなすべて秋暮れてたちまち花かげもなく 社会性なきゆえわれに降りかかるプレヴェールの枯れ葉のあまた 自裁ならずして存ることのなさけなさか道失えるきみ 波に咲く花かとおも…

アルコールはもはや、

* アルコールはもはや、かつてのように気持ちのよいものでなくなった。かならず連続飲酒と悪酔いが待ってる。つぎの朝には起きることもできない。だのにやめることができないでいた。あたらしい仕事が決まった11月20日の朝、おれは寝過ごしてしまった。バス…

夜長の蠅

単純に必要とされないことが ぼくをぼくたらしめる そして単純に求めることが ぼくを苦しめる だれもが知らなかった経験が降る町で だれもが見ないでいた過古が経過する町で ぼくは花を折る ぼくは花を喰う

時間についてのメモ

過古をなかったことにはできないとしても、 いくつかに分けて捉えることはできる ピンボール・マシンのとっての夜が ベンダー・マシンにとっての午よりも長いか、 さすがにぼくもわからないけど

ボール紙の犬と歌論

* やまなみに融けるものみなすべて秋暮れてたちまち花かげもなく * 一首詠んでみる。大したヴィジョンもサウンドもなく、即興で書く。考えて書かれたフレーズはせいぜい平仮名の「やまなみ」、そして「暮れてたちまち」ぐらいで、あとは勢いにませた。おれ…

discard man

希望的に見えても、 それは見せかけ そのじつ、うらがえして、 たくしあげた、生地の、 膚のような、裏地 もういちどと、 求めて、 53を4に喩え、 2時を洗にくわえて、 なお、ひらくのはきみ なお、閉じるのはおれ ひたいのうしろに気をつけて奔る、 機体の…

普遍とは

* 花の名を知らないままで大人たることのすがしさあればいいのに 道くれない 案内板の文字かすむ 読めるふりして歩む黄葉よ 軒濡れてしたたる水の粒子たちキビの葉っぱをいちまい奪え アルカディアほむらのなかで示される少年時代の悪い種子だよ 駅過ぎる外…

黒い冬

* 不倖せ倖せ測るものさしはきみの睫毛のいっぽんでいい 永久語るきみの追憶いまだ火が燃えているのか問いかける窓 木々燃ゆるごとくにならぶ素裸足の少年ひとり雲ならべおり 水怒るような雨降るあしたには秋は終わってしまうと語る 便箋歌――夏の季語にて狂…

師弟記念(森忠明からの葉書)

新作拝見。『タンゴ』、『黄昏』に名歌多し。「世界一のペシミスト」シオランが、パリの銀行で貯金通帳をのぞいている自分を心底おぞましく感じているような、まっ正直な歌が三つ四つあって面白かった。ただ「散文」や「詩」にいつまでたっても、順三郎のい…

10月/Oct

* 10/01 深夜過ぎて日記を編輯、ブログに投稿。床に入る。目醒める。まだ眠い、でもけっきょく起きる。朝餉。9時まで時間を潰す。口座を見る。保護費が減額されてる。¥89,290だ。¥1,304足りない。いったい、どうしてだ? まさか文学フリマで¥5,000入った…

山犬伝奇

* 手のひらの葡萄の種を温めてやがて来る月占う真午 狼を祭りて濁る水まくら熱を帯びたるパセリ散らばる 岸渉るむこうに過古のぼくがいて怒りにまかせて麦を嚼んでる 豺の血が匂うのは薄原ヘリコプターをいま見喪う やまいだれいろはにほへとちりぬるをいま…