みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

音楽について

 

 空間的な音楽が侵入する夕暮れの室 レコード・プレイヤーが落下する速度が必要だから父親を殺すのは愉しい たぶん連結部の毀れた市電がまぶしい採光のなかで乗客たちを愛撫するのに疲れてしまったから おれはとても淋しい 破壊された偶像とベーコンエッグサンドで経典を誂えようとする一群が天守閣のなかで踊りながら没落する テレビジョンの科白たち、あるいは頭のない鶏たちが奏でる天体の音楽 そしてだれよりも末永くおつき合いしたいという女の声ととも司会者のない空間が、空間らしい音楽のなかでゆっくり融けてしまうまでを炭酸に充たされながら待ってる。