2021-05-28 意識 詩 サーカス場が解体された上津台の空き地で おれは買ったばかりのヘヴンヒルを呑む まさに天国の丘だった、 16年まえの光景 意識はいまその時代を漂う おれの心臓、 おれの手指、 銀貨と見まがうほどのワッシャが土のうえで眠るのは、 たぶん心臓の形容詞だった いまは'21年の五月、緑色の男たちが手を握って誓い合う ──もう逃げないと。 そしておそらくサローヤンの掌篇みたいにやさしいひとたちが、 おれの意識を切り分けて、ブラッドソーセージと一緒に食べてしまうんだ