みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

異端審問

* 黄昏よなべものみなうつくしく斃れるばかり 長距離の選手たち みどりなるひびきをもってゆれる葉をちぎっては占うなにを あかときの列車のなかに押し込まる自殺志願のひとの横顔 花が咲いて 散るもの知らず故知らず ほらもうじき雨季来る 枯れる湖水 もは…

まくらことば

* あからひく皮膚の乾きよ寂滅の夜が明くのを待つ五月 茜差すきみのおもざし見蕩れてはいずれわかれの兆しも見ゆる 秋津島やまとの国の没落をしずかに嗤う求人広告 朝霜の消るさま見つむきみがまだ大人になり切れない時分 葦田鶴の啼く声ばかり密室にボール…

死はいずれ

* かげを掘る 道はくれないおれたちはまだ見ぬ花の意味を憶える 眠れ 眠れ 子供ら眠れ 日盛りに夏の予感を遠く見ている プラタナス愛の兆しに醒めながらわがゆく道に立つは春雨 祖母の死よ 遠く眠れる骨壺にわが指紋見つかりき 葡萄の実が爆発する夜 ふいに…

ヘンリー・ミラー全集の夜

* 狩り人のうちなる羊番をする少年の日のかげを妬まん 永久という一語のために死ぬなかれ、やがて来る陽のかげりのために わがための墓はあらずや幼な子の両手にあふる桔梗あるのみ いっぽんの麦残されて荒れ野あり わが加害 わが反逆 暴力をわれに授けし父…

暗がりで手を洗う

暗がりでくそをして、 暗がりで手を洗う 洗面台にも、 浴槽にも、 魂しいのおきどころが見当たらない たしかなものはタオルだけで そのタオルもひどく汚れてるのはいったい、 なぜかなのかを思索してる かつて保護房の拘束のさなか、 看護人どもの見守るまえ…

夢であることの悲しみ

おそらく、 夢であることの悲しみは だれもない室で展らいた本みたいなものだ 町の中心で戦争が始まったから、 エールとビールを開けて祝福する ひとを憎悪にかりたてるすべてが好きだ でも、これだって夢、じぶんが目醒めてるという夢 囲いと鈎を身につけた…

夜の雷光

夜にさえも見放されて 飛び起きておもう かつて惹かれた女たちを そしておれをきらった女たちを 氷上の稲妻みたいに去ってしまったなにかが おもての車のポーチを照らす いつまでもおれをはなれないかの女らのこと、 眠れないからだが求める、皮膚の安寧 あ…

なんだかかなしい [Mar. / '22]

www.youtube.com 03/01 0時過ぎてコンビニエンスストアへ。ジョニ黒、Monster Energy、ジンソーダを買って帰る。呑みながら、詩を書いた。薬も嚥む。眠くならない。ヤフオクの決済を済ませ、Amazonでブコウスキーの書簡集と、小説「鳥人戦隊ジェットマン」の…