みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

映像機関説


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 わたくしごとなればセロリ青しといいこれを䈭める暮らしの手帖


 ゆく春に語るものなし倖せな大人でいたいという欲望よ


 夢ならば天使の頭蓋抱えつつ燃ゆる七月藍く塗りたし


 願いすらなく索漠のうえをゆく一言居士のような心臓


 花月のみどりの化石 愁いとは花のしずくにかざす銀河か


 さみだれに擬態する夜・歩行者のいないところで発病するか


 贋詩人・カマキリ・海賊・テロリズム・みなまぼろし砂丘へ集う


 白子みたいなこころがわだかまって、たったいま戸をあけました


 それが正体だったんです 屋根のむこうの銀の帷子


 稚児ひとり泣く公園の真午にて10円硬貨を投げて占う


 西部劇のポスター枯れる魚影がひとの姿を借りる色彩


 終ならばインゲン豆も詩劇足るゆうやけ地獄の陸橋歩む


 寡婦過ぎる曲線われを再魔界するいくつもの断片なりき


 「ユカコ」すら代名詞となりぬ夜のかたわれ足りぬ木々のさまよい


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