八月のこと。ちいさな建屋の、自動車修理解体工場のまえ、うづたかくされたもののあいまをぬうようにしてかれは冷やされた緑の、その露をなめてる。とにかく舌が乾いた。うしろになにかが立ってる。ふるい冷蔵庫で、あけはなたれたとびらをむこうにふるい、…
○ カウンター席に座って、横の止まり木を見る。小さな紙切れが名札のように貼ってあった。たしか、こんなふうなことが書かれてあったとおもう。――ふたりの少年がやってきて、おれのことで妹をつかまえていった。だからでていく。すぐに戻る。酒は置いておい…
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