みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

詩論

小説のあいまに

名も知らない少女に 秋も深まりをみせている。いまだ蚊の残党をみることもあるが、いなくなってきていることはたしかだった。鈴虫がようやく現れ、おもてにかすかな歌を供す。わたしはそれに耳を傾けてみた――こんなふうにたまにはきれいな書きかたをしてみる…

オイルサーディンによって書かれた詩論

* 窓からそとを見る。どうしてあんなところに大型トラックが停まっているのかとおもう。これぞ詩だ。いまさらいうべきことなんかない。わたしが詩というものを書いてきて、もはや15年になる。年数はどうだっていい。どうして詩などという、おそらくこの世で…

インターネットと詩人たち

いわば情報社会における人間相互間のスパイである。 寺山修司/地平線の起源について(『ぼくが戦争に行くとき』1969) 小雨の多い頃日、わたしは自身を哀れんでいる。あまりにもそこの浅い、この27年の妄執と悪夢。なにもできないうちにすべてがすりきれて…

からっぽの札入れとからっぽのお喋り

* 雑役仕事と金が尽きて、もうしばらくになる。おかしなもので足りないときほどしたくなるものだ。創作や自涜、どちらも空想と実感を一致させてゆくという点でよく似ている。台所には甘味料、香辛料、油、肉などなし。あるのはしなびた野菜のいくつかと、わ…

オイルサーディンによって書かれた詩論

* 文藝は淋しさばかり書架の秋 * 窓からそとを見る。どうしてあんなところに大型トラックが停まっているのかとおもう。これぞ詩だ。いまさらいうべきことなんかない。わたしが詩というものを書いてきてもはや15年になる。年数はどうだっていい。どうして詩…