みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

It's a long way back to Germany

www.youtube.com * 花が回転する 蕊が発射され、少年の顔面を貫くのは方程式の手解き 悲しみを知らない石のために水を枯らすのは箱庭の抒情と、拳 たとえばあなたのなかで芽吹く敵意にだれも気づかってやれないときに、鱗を生やしたアルコール中毒者がふりあ…

atomics season

* 飛行士の黄昏をかき分けて、青果物を売りにゆくのがぼくの弟です 鞄がゆれる 靴が跳ねる 時計職人になれなかった弟ですから 厚揚げにオクラを刺して遊ぶのはやめなさい どうか、ペパーミント・チョコレートをぼくにください 寄る辺を求め、天才にも負けな…

素粒子

* たがいの皮膚を確かめ合うように日暮れの街で巡り会うとき いささかの惑いもなしにくちづけをする若人のかげを横切る朝 なべてなお花が明るいわけをいま話しましょうとナイフをかざす 迷い子も星の隠語になりゆける天文学の裏地の科白 かげはやさしく月は…

星からのわるい報せ

Mauvaises Nouvelles des étoiles * ヨナが啼く湖水のうえの月あかりいま語りたる出イスラエル 死がいまだ経験ならず機関手の手袋ひとつ星に盗らるる 朝来れば天体模型消えゆけり煙だらけの窓がささやく オリーヴの罐詰めひとつ破裂する銀河の果ての汐のか…

オンデマンド&電子書籍・販売中

いままで刊行した作品を以下にまとめます。一部無料のものや、試し読みができるのもありますので、気に入った方はどうか買ってやってください。 mitzho84.hatenablog.com mitzho84.hatenablog.com mitzho84.hatenablog.com mitzho84.hatenablog.com mitzho84…

夢の址地

* いまきみが擦った燐寸のせいでまた幾星霜の銀河は暮れる 水がまた滴りだしたキリストのまねごとのまま復活ならず マタタビの宙返りかな椅子を打つ家具職人の首の汗よ 鹿の死の歓び幾多かくすべく芭蕉の葉などかけて過ぎ去り 夢こそがほんとうなれば鹿の死…

夢から醒め、霧は舞う [jun/'21]

06/01 短篇集をKindle用データに変換。入金履歴をコピーするために口座を見る。3月時点で¥93,920だった収入が、¥90,290に下げられてる。¥3,630も減額されてる。ひどい暴挙、これぞ生存権の侵害だ。朝になったら役所に申し入れるしかない。¥3,630分の可能…