みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

32. am

 

 
 愛の赦しを得られないまま大人になってしまったからか
 子供時代の火花がおれに降りかかるのはたぶん諦観だ
 大きくなりすぎた瓜を母が始末する
 水だらいのなかの信仰、
 そして懐疑の果て、
 すべてがすべてらくしくあって、すべからくの誤用をふと信じる虹霓
 なにがまちがってて、なにがあってるのかがわからない
 時間は過ぎる、
 おもかげさえもよけて、
 遠くに遠くに交差してみれば男女のふさごとみたいにドラムを叩き、
 やがて咆吼するブリキの嘶き、そしてレッグフラッターズする4本の足
 もしきみがまだおれを信じられないとしたら、オックスの観客みたいにきみを失神させる
 光りのつぶてがなんの意味もなく、
 降りそそぐなかできみのする再魔術化から逃げるために
 すべてのものを売り払ってみせるだろうよ
 もはや星は淫欲の隠語、
 アメリカン・ニューシネマと、
 猫の死骸が誓いする、この修飾語の果てで、
 きみがまだ純真さを持ってるからというだけで、
 たぶん、きみはおれを犯してしまうだろう
 でも、おれはもうふりむかない
 結納と冷蔵庫を載せた列車が北へむかい、
 ただ殺人をしたかっただけの少年がイスラムに目醒めるとき、
 大きくなったおれの股ぐらをきみが突き抜けて、
 家族やアイドルのあいまで、
 パイオニアとして君臨することを、
 32. amで、
 いまは願うしかないのだから
 どうぞ、まっすぐに
 どうぞ、