みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

2019-01-01から1年間の記事一覧

歌集「星蝕詠嘆集/Eclipse arioso」販売開始

中田満帆歌集「星蝕詠嘆集」、販売開始しました。よろしくお願い致します。ご入金確認後発送します。御購読ください。 連絡先:078-200-6874 / mitzho84@gmail.com振込先:三井住友銀行:藤原台支店(396)普通:7489267¥2500+送料¥350

hang off

ためらいのなかでぼくはやっと鍵盤を叩く そしてぼくを見限ったかの女を さらにぼくが見限る なんにせよ、だれかの下した判断ならばどうしようもないこと できることはなにもない、他人同士のできごとだ 相互フォローが終わって、 ぼくはかぼやく、 あんな女…

歌集告知チラシ、訂正版。

森先生から指摘され、スペルちがい、そして振り込み先の記載がなかったので作り直ししました。(10/7)

歌集告知のフライヤー

今月、半ばに歌集「星蝕詠嘆集/Eclipse arioso」を出版します。つきまして宣伝用のフライヤーをつくりました。図書館などで配布する予定です。

hang offな日乗

The Caretaker's An Empty Bliss Beyond This World * ふとおもいついてhang offと検索する。どうやら「ためらう」という意味らしい。まえにもmind outや、piss outといった辞を詩のタイトルにしたことがある。当てずっぽうでも、存在してる言葉だ。きょう…

1984年のピープ・ショウ [second demo rec]

またしても'14年につくった曲を再録音した。歌詞を変更。間奏の代わりにアウトロをつけた。 「1984年のピープ・ショウ」 あたらしい車で ひなびた町ゆく かの女の足跡 ひろって走った 手をふるひとはなく 灯しが眩しい じぶんのなまえすら忘れてしまいたい …

CQB [second demo rec]

5年まえにつくった曲を録り直した。編曲も歌詞も直した。'14年の録音はbandcampにある。較べてみて欲しい。ギターはほんの少しましになったとおもう。歌についてはどうしようもない。歌のレッスンや機材の購入が必要なのかも知れない。あるいはまだ歌いこな…

賞味期限の切れたワナビーはいったいどこで果てるのか

* 仕事がなくなったんだ、ルゥー。期間が切れたんだ、ルゥー。そういうわけで不安のなかで求人を捲る。歌集を来月だ。それまでにあたらしい仕事がいる。というわけであしたの面接をふたつ決め、障碍求人もいくらか集めた。でも、今月には小説を書かなくては…

歌集「星蝕詠嘆集」について

来月に刊行する予定の歌集「星蝕詠嘆集/Eclipse arioso」の表紙ができました。じぶんでは地味で面白味に欠けたデザインだとおもうのですが、師のすすめでこの表紙に決定しました。いまは印刷所を探しています。紙質や、部数など考えています。予算は6万ほど…

ユウコ、あるいは春の歌

拒まれているでもなしに鴉見てわれもひとりというほかはなし 午睡するぼくの意識に落ちてきて風にふるえる野苺の果は 春畠にたつたひとりのほほえみを浮かべておれを誘うマネキン 野兎のように児ら去るしぐれより隠しに寂し手はみずからの 夜間飛行いちまひ…

多くのひとは

多くのひとは雲のなかで目醒めたりはしない 水のなかで熱くなったりもしない そして炎のなかで溺れたりもしない したたかな晩夏の光りのなかで芽吹き、 やはりしたたかな初秋の光りのなかで凋れるものはなに? もはや犯意を失った群小詩人のなかにあって、 …

アベローネ、あるいは冬の歌

ひとの名を忘るしもつき机上にてミニカーいちだい消息を絶つ 安物のファルファッレを茹でながら架空の対話をひとりめぐらす トマト罐放ちつつあり琺瑯の鍋につぶやくかつての片恋 分光器かざして見つむきみがいた町のむこうの山の頂き 青む眼の一羽が鳴らす…

それがなんであれ

それがなんであれ、いまは掴むしかない あした港湾業務が終わっておれはたったひとりの職探し なにものかになれるのなら、もうなんだっていいとおもったりする でもいまさらたどり着けるのは中古るの一脚 薄汚れた席のうえでぼくは沈黙するんだ、 きっと、そ…

This is Not a Loveletter pt.02

去年の夏、ぼくは酔いどれながら電車とバスで、 キタロッコー台までいった それから昔かよった床屋で死んだ女将さんについて話した かの女はもうずっとむかしに列車事故で死んでしまい、 あのころは息子である、いまの主人がテレビにでることがしばしばあっ…

なまえ

名づけられたものにできるのはなまえを奪うことだけ 名づけられなかったものにできるのはなまえを与えることだけ 他者のなまえを上着にしてぼくが町を歩くのは 遠い6月の朝から10月のたそがれ なにがただしく、 なにがまちがいなのかもわからないなかで ぼく…

LAGのギター

ぼくのギターはタグっていうフランスのメーカーのやつ そのメーカーでもいちばん安いギター ¥25000のやつを ¥19000で買ったのは去る年の11月、 温かい月曜日のこと、 ピックガードはないけど明るい木目がうつくしいギター ぼくはデモのレコーディングのた…

初秋'19

詩を書くみたいに小説が書けたらいいのにっておもう もうずいぶんまえから「灰は灰へ還す」という題名だけあって、 それはきっとながい片思いと失恋についての、 ちょっと滑稽で、警句の混じったものになる、 そうおもってる 神戸市内では夕暮れから雨、 雨…

雛菊

ぼくはしばらく廚に立って冷蔵庫に鯖があるのを期待した 夏の午后おそくぼくは帰ってきてそれを望んだんだ でもそれは叶わなくなった 夕暮れの使いが ぼくを閉め出したから だからなんだって ってきみがいう かつて母が父を扱き下ろしたみたいに いまだに鳴…

ユイコ、あるいは秋の歌

すべては見せかけだろうか崩落する宵待草反転する花と美人画 きみへの道すがら死んでしまったものたちを弔いたいけど茶器がない おれが死に銀河の西へゆくと聞き腹を立ててる母のまぼろし 月の夜のゴンドラゆれるまだわずか魂しいらしいものを見つけて うつ…

ぞく・無料詩集「piss out」について

おれの詩に魅力があるのか、そいつはわからない。どっかのサイトで「オーセンティックな古い書き手」だといわれ、「書き手に魅力を感じないから詩にも魅力を感じない」などといわれてから数年余り、なんとかこうしてやっているわけだ。だれがいったい、なに…

シティライツ、あるいは夏の歌

くちを噤む──きみのためにできるのはそれだけと識るこの夏祭 桶の水零れてかれは帰らない水面に熟れる桃へ夜来て ともすれば腿も危ういスカートの妹の肩に飛蝗あをあを 列車には男の匂い充ちたれて雨季も来たれり新神戸の町 ここにいて心地よければ祝福とな…

食肉に関するレポート

手負い それがうかつだったのかも知れない 穴熊は罠から逃げようとする一瞬だった かれは銃を持って威嚇した 鳴き声がした それが祈っていたし、 呪ってもいた 畑のなかで かれが想像したのはすき焼きにされる穴熊の映像だった かれはいつもじぶんがタフであ…

裸足になりきれなかった恋歌

とにかくぼくがいこうとしてるのはきみのいない場所 トム・ヴァーレインにあこがれる女の子のいる場所 リアルさがぼくをすっかり変えてしまった 現実の鋭利さ、あるいは極度の譫妄、 それらの果てで、いままでのあこがれがぜんぶ砕かれたんだ きみのことだっ…

so empty

若さになにか意味があるとして、それは失ってから考察されるもの アパートの外壁工事が始まりだした7月の中空をおもいながら 高圧洗浄機の唸りを聴いてるのはおれが敗れものだから きょうは仕事にありつけなかった 残りわずかな金を気にして 身うごきができ…

relapse

relapse そしてあなたが祈ったあとにも、あなたを苛むものたちは生きてて、 倖せだとしたら、あなたの祈りは無為であり、 あなたがそれまでとおなじか、 さもなくばそれ以上に救われないとしらどうだろう? あなたはあきらめてパンに手を伸ばすか、 それとも…

a fact and dance

fact 午前8時から午后4時と半分までおれは港湾労働をやってた でもある瞬間、なにも信じられなくなった かれらがなにをおれに求めてるのかが わからなくなってしまった おれはうろたえて バナナの凾を落としてしまった だれかがおれを見てる なにも信じられ…

無料詩集「piss out」について

この秋、全国のリトル・プレス、個人詩誌に無料配布すべく、無料詩集「piss out / selected poems : 2003-2019」をだします。'03年から現在までの作品から撰び、30ページほどのパンフレットをつくります。というのもわたしは詩人として横の繋がりが希薄なの…

still hate

for reina terao & sayo takeuchi かの女の声はまるで電話線を通したみたいに聞える かつてハネットがイアンの歌声を録ったみたいに耳に来る なんだかずっとそばにいるみたいに聞えて来るんだ それでもなお知らなかったとかの女はいうだろう べつにそれがほ…

永訣のおもざし

* やがてみな花になるのか鳥になるかはかるか機影の翳むところにて 森しずかなり木の畝にどうしていまもうずくまっているのか いつまでも青傘のなかでかくれんぼしてるふたりの猫が ひとりのみかくれ莨のかげがある雨の降る港その端にいて 牛殺しの花がひら…

missing

for yuri nakakubo なにをやりおおせようともかの女にはわからない なにをしでかそうがかの女にはかかわりがない もはやかの女がどこにいるのかさえも わからなくなってすでに10年が過ぎ、 ぼくは夢のなかで OSSへと あの倉庫へと 急ぐ もういなくなったかの…