みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

ぞく・無料詩集「piss out」について

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 おれの詩に魅力があるのか、そいつはわからない。どっかのサイトで「オーセンティックな古い書き手」だといわれ、「書き手に魅力を感じないから詩にも魅力を感じない」などといわれてから数年余り、なんとかこうしてやっているわけだ。だれがいったい、なにを読み取っているのか、どこに好感を感じるのか、まったくわからない。だれか教授してくれ。おもてだっておれの詩を云々する人間が、まさに皆無だからである。べつにコワモテを気どった憶えはない。ただ酒に酔って暴言を吐いていた期間が、数年まえにあったことはたしかだし、留置場にも経験があるってだけだ。わるくおもわないで欲しい。きみらのお子さんが将来そんな体験をするとはいっていない。子供をつくるべきではないといってるのだ。だって人類は滅亡すべきなのだから。おれの気分はシオランどころではない。いったい、どうしてまいなーのなかのマイナーで人生を過ごさねばならないのか。このまま伴侶もなく、生きていかねばならないのか。おれはアルコールを呑む、それが家計を圧迫する。たかが安酒のために連続飲酒だ。笑えないことである。きみはなぜおれのブログを読むのか、それを400字詰原稿用紙3枚で提出して欲しい気分だ。さて、おれはいったいだれなのか?

 きょうは休日。颱風のためにきょうは社員だけの出社。期間限定アルバイトのおれには関係ない。浅川マキのセカンドを聴きながら、鈴木さえ子「ノーライフ・キング」を聴きながら、こいつを書いてる。きょうは自作曲のリメイクをやってる。「だれもない待合室」と「1984年のピープ・ショウ」だ。いずれデモをアップしよう。

 

「だれもない待合室」

待ち望んだものはみな 遠く遠ざかりばかり
だれもない待合室 みずから閉じこもった

いつからかみずからが醜くなるばかり
かの人のおもかげがどこから忍び寄る

どうしてここにいる なにもない待合室
閉じられた窓を見て 一人遊びを憶えた

 いつか見た夢は いつから手をはなれ
 匂う澱のなか ひとり待っている
 だれもいないのに
 だれもいないのに
 いまだ


ぬばたまの夜のなか 線路が延びていく
いつからかのひとの おもかげも消え去った

きみのない世界では ないもかも早すぎる
急行に乗っかって 連れ去っていくばかり

過古を過古とはいえない さみしさを連れてきて
かつておもいえがいた きみのすべてを投げる


 オゲンキデスカのひとことだけでも

 いえないのですか たったそれだけも

 ゴキゲンイカガのひとことだけでも

 いえないのですか たったそれだけも

 すべてが消えて見なくなるまで

 すべてに厭いて茫漠とするまで

 立っている 立っている 立っている

 

1984年のピープ・ショウ」


 あたらしい車で ひなびた町ゆく
 かの女の足跡 ひろって走った


  手をふるひとはなく 灯しが眩しい

  じぶんのなまえすら忘れてしまいたい


 かつてのいまごろは 戯れ暮らしていた

 いまはもうわからない かの女は消えていた


 ふたりで通った 店はもうなかった

 ぼくは赦されない

 きみはもうここにいない


  呼び声すらなく 返事も聞こえない

  過古から未来へと触れるのが 恐ろしい 


 ようやく見つけた窓越しのかの女を

 つたないことばで すべてを語った


 あたらしい車で ひとりの道をいく

 モーテルの燈しがしずかにゆれている

 

 どちらも'14年につくった歌だ。ひどいものだ。なかなかコードをおもだすのに骨が折れる。あしたは仕事。それまえのたわむれってわけだ。たわむれついでにおれの自撰詩集「piss out」のサンプルができあがった。所持金が¥300しかなかったとしても悦んで欲しい。 

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 歌集の出版後にこれを配布する。どうか、受け取ってくれ。おれは横軸の繋がりが欲しいんだ。できるなら同世代の詩人に読んで欲しい。そうおもって発送する。リトルマガジン、地方詩誌、個人詩誌に。

 

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※なお製本・印刷・送料代は注文者の負担になります。実際に詩誌などへ送られるものとはちがい、無線綴じ・紙も上質です。