みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

だからといって、うれしいわけじゃない。

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画像は画像です。

お題「#この1年の変化」

 

 こういったキャンペーンに与したことなんか、1度たりともなかった。いまは金もないし、空腹と不安のなかにいる。いつものように月の終わりは惨めなおもいをしなくちゃならなかった。今月はくだらないポルノサイトの利用で、¥22000もとられてしまった。当然、電気料金もネット料金も支払えてない。みずからを焼き滅ぼすみたいな流儀で、おれの人生が滑り落ちていく。たぶん、慎みってやつをおれは知らないのだろう。飯場暮らし、病院暮らし、施設暮らし、そして福祉暮らしの果てで、なんとかじぶんを理想に近づけるべく足掻いてるだけだ。

 この1年のことを、日記をめくって調べてみる。ほとんど毎月、おれは酒に苦しみ、浪費に苦しんでる。正月はどうした?──なにもしてない。給付金はどうなった?──ポンコツPCに¥36000も払い、SSDを買い、残りは呑み喰いに終わってしまった。夏はただただ汗を搔いてただけだし、秋は日雇いの仕事をした。それからはずっと継続的な仕事を探しては徒労に終わってる。冬になってボイス・トレーニングを始め、この春にはギターを習う予定だ。もちろん、金がかかる。継続的な仕事として、試聴ルームの仕事を撰んだ。来月から始める予定だ。たぶん、他人のスペルマに手を汚すはめになるだろう。それでもガテン系のどぎつい仕事よりはマシだとおもった。しばらくは月給暮らしで胡座でもかいてたい。

 この1年の変化は物質的な変化でも、精神的な変化でもなく、じぶんにふさわしいとおもえるものが、じぶんに近づいてきたということだ。放埒の時代は去った。ひと月、ひと月をやりおおせることに馴れて来た。あとはふたたび孤立から抜けだすだけだ。だからといって、うれしいわけじゃない。これからもずっとおれは自身の性質によって苦しむだろうし、なにかを得たとたん、なにかを失ってしまうかも知れない。それをいまから悔やむつもりはないが、これからの1年も、じぶんの欲望、じぶんのつくりだす世界のなかで踊るんだよ、ダンス、ダンス、ダンスにダンス。

 たぶん、おれはどうかしてるんだ。でも、それは他人だっておなじだろうし、この世界に棲まう以上、あらかじめ失われた正常さのなかで、互いを監視しながら、終わりのない欲求の嘔け口をインターネットなんぞに委ねたり、その住人に耳や眼をゆずり渡してしまうことだって、充分にあり得るのだ。

 人工的な狂気の最先端で、情報の荒野を漂白し、やがて消滅する自身よ、人類よ、──ありきたりな呼びかけのなかで堕落する中古るの魂しいよ。おれはさっさと、マスを掻いて、PCを消して、眠りのなかで眠りたい。じゃあな。