他人のつくった場所で、他人の書いたものになにかいうこと、
それは犬がマーキングでしょんべんするのとおなじことだとおれはきょう悟った
つくらされた態度、つくらざるを得なかった態度で、他人の詩に触れるとき、
おれはいつもいやらしいやつで、攻撃目標を探してた
つまらない争いがいまもどっかで起こってる
かれらかの女らから遠ざかるためにおれは書くことにした
かれらかの女らが決して認めないものを書こうとした
カソリック教会の裏手の安いアパートで、
おれは月々¥41,000ぶんの詩を書こうと決めた
そしてそいつをじぶんの場所に貼りつけることにした
もはやだれかのことを気に病んだりしたくない
だれかの反発を怖れて書くのはうんざりだ
窃視症の痴れもの、
そして自大野郎の掃きだめ、
そんなもんにはさよならだけだ
きみはきみの場所を、おれはおれの場所を
きみはきみの手で、おれはおれの足で
ともかくこれからなにかがはじめろうとするところで、
この妬けるような、この臆病なノートのなかで、
互いに立つのをおもいながら、
受け入れながら書くしかないんだ
インターネットの詩人たち、かれらは大きく勃起した去勢そのものだ
インターネットの詩人たち、かれらはいきり立った腐肉そのものだ
おれはかれらの街を通過する、愛せないものからは通り過ぎるしかないからだ
街の中心部にむかって、光りが走り、信号が変わるとき、
きみを待つだれかのためにおれが手をふってやるさ