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霧雨や切断面に花が咲く
林道の祭り囃子や子供泣く
アメリカや混血児が河渉る
春の曲子供のひとりうしろ向く
花曇り女が土のように伏し
酒星も見えずひとりの酌をする
失いし浮世の夢のちまたかな
山の穴出ず一匹の迷い草
雲ひとつ握りこぶしのような春
いぬふぐりおとこ妾の裾濡らす
堤にて花がならぶようしろ足
子供らの眸まるごと五月雨て
死出すらも快晴なりぬ冬あけて
老醜のごとくに花の盛りあり
主なき葡萄の蔦よ春の闇
花翳む素足のごとに男おり
コカ・コーラ転がるほどの温かさ
気分屋の転ぶ三月ひとごろし
銃声もなく東風を仰ぐまで
水温む誤解の果ての暮らしあり
さよりとて悲しむほどの事実かな
午過の石蓴ばかりで恥ずかしい
鷹は鳩われは鼡と憎まれて
水太る春雨ばかり窓ゆらす
供物盗る男の憐れ花曇り
夜桜や噫、暗黒の雛祭
暮らす世々ふたたび桜顔照らす
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