みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

夏の定型詩

短歌


 真夏の死たとえばぼくの万華鏡いつもみたいにきみが視えない

 

 けものすらやさしい夜よみずからを苛みながらも果実は青い

 

 森番のひとりのかげを手斧もてわかちつつある狩人のぼく

 

 まだ解けぬ方程式も夕暮れてきみのなまえのなかに眠れる

 

 神殺むるときを経ながらぼくはまだ夕餉の支度できていません

 

 

俳句


 ふなかげの淡さの陽炎午睡して

 

 

 踏む浪や月のかたちに触るるまで

 

 

 夏の夜に灯台守が泳ぎ着く

 

 

 海見ては孤独のありか確かむる