みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

日本式の朝食

f:id:mitzho84:20200129092132j:plain



 鳶色のスーパーマーケットで
 20%引きの鶏肉を仕入
 緑色の窓に忍び込む
 たとえばそんなふうにして詩を書きたい
 なぜかどうかはよくわからない

 白と枝を足して、
 ウィスキーを導きだすには
 どんな方程式が必要だろうか
 もはや正常さを呪うことしかできない
 じぶんがただのじぶんであることが怨めしい

 ロンドンの音楽に
 日本語の歌詞をつけてうたう
 窓際でちがう世界へ飛び立とうとする女がひとり

 またしてもなし崩しだ
 じぶんのなかで澱んでるイメージが
 いつまでもはなれない
 ぼくには敵が必要だ
 つねに新鮮な痛みと認識を与えてくれる敵が

 そうとも、丘へとつづく道で、
 韜晦をつづけるとき、
 だれかが邪魔をしてくれればいいのに
 だれかがあざ笑ってくれればいいのに
 そしてなにもかもを砕いてくれればいいのに
 
 敵がいない
 他者がどこにも存在しない地平で
 ぼくは墜落しつづける、立方体なんだ