鳶色のスーパーマーケットで
20%引きの鶏肉を仕入れ
緑色の窓に忍び込む
たとえばそんなふうにして詩を書きたい
なぜかどうかはよくわからない
白と枝を足して、
ウィスキーを導きだすには
どんな方程式が必要だろうか
もはや正常さを呪うことしかできない
じぶんがただのじぶんであることが怨めしい
ロンドンの音楽に
日本語の歌詞をつけてうたう
窓際でちがう世界へ飛び立とうとする女がひとり
またしてもなし崩しだ
じぶんのなかで澱んでるイメージが
いつまでもはなれない
ぼくには敵が必要だ
つねに新鮮な痛みと認識を与えてくれる敵が
そうとも、丘へとつづく道で、
韜晦をつづけるとき、
だれかが邪魔をしてくれればいいのに
だれかがあざ笑ってくれればいいのに
そしてなにもかもを砕いてくれればいいのに
敵がいない
他者がどこにも存在しない地平で
ぼくは墜落しつづける、立方体なんだ