みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

vacanty

あしたは医者にいく

造影剤を入れて

CTの検査だ

とうぜん絶食で

膵臓と脾臓を繋ぐ管につまりがあって、

それがいまどうなっているかを見なきゃならない

酒はしばらくやめているけど、

どうなることやら

8時半にはバスに乗って、

15分まえには到着してなきゃいけない

なにかと不安が募る

きのうの投稿はウケなかった

だから消した

他者に求められるじぶんでないことが恥ずかしい

でも、おれはおれのために書くべきなんだ

っておもう

きょうはなにもない1日

ただ単純に時間を空費するだけの1日

だれかがいったようにおれは承認欲求の塊りで

その支えがないと倒れてしまうんだ

来月分の買いものリストをつくった

ほとんどの金は日用品に消える

いままで買わずにいたものを手に入れる必要があった

靴と衣類に殺虫剤

蛍光剤無配合の洗剤やなんか

映画はぜんぶ見逃してしまった

ヴィム・ヴェンダースの『アンゼルム』、

ベルモンドの回顧上映、

ほかにもなにか

きょうはただ大人しく1日を絞め殺す

あさってなには金が入る

その金で詩集の表紙をつくる

賃貸更新料を支払う

LPレコードと食糧を買う

忌々しい時間

からっぽの時間

半額シールの貼られた時間

就業間近のおれの脳髄で、

架空の従業員たちとともに

ツイストを踊りながら、

即席の詩学で

おれはおれのブーツを磨きつづけるのだよ。