みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

闘牛

 

 愛しいものがみな去ったときにおれは口遊む
 あらゆるときがときの文壇された幻影であるのを祈って、
 ピカッ、そしてドール
 はじまりと終わりが手を繋ぐとところで待ってる
 なにを? きみを?――かげがかげに終わらないすべてのときを願って、
 すべてがひらく、眠れない夜に
 すべてが輝く、起きられない朝に
 ひとごとのように殺戮はなされ、おれはベッドに釘づけになる
 もし、きみとつがいになれるのなら、なんだってしてやる
 もし、きみとそうなれないのなら、なんだって打ち毀す 
 やがて光りが奔った
 それを追い越すように闇が奔った
 オーレ!と柊が叫ぶ
 場内にはだれもいない
 ただひとりピカドールが立って、
 銛撃ちのポーズをするだけ
 おれはなんだかわからないスペイン式の挨拶に脅える