みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

夢の址地

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 いまきみが擦った燐寸のせいでまた幾星霜の銀河は暮れる

 

 水がまた滴りだしたキリストのまねごとのまま復活ならず

 

 マタタビの宙返りかな椅子を打つ家具職人の首の汗よ

 

 鹿の死の歓び幾多かくすべく芭蕉の葉などかけて過ぎ去り

 

 夢こそがほんとうなれば鹿の死もすずしくありぬ芭蕉の葉

 

 月のように窓がひとひら中空に輝くのなら李白を撃てり

 

 真鍮の夢と戦争。世界婦人ふたたびスカートをめくる

 

 かくてなお月は昇れりコダックの最期の凾をあけるゆうやみ

 

 離陸する一機の夢よ白痴なる翼のごとく時は濁れる

 

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