★
おお、聖なるかな
ひとびとよ
飢えた路上に立つ未来のおれよ
この夜の果てに旅立とうとするものらよ
けつでも喰らえ
なにもかもがうそ
なにもかもがでたらめ
おれはサンタクロースなんざ信じたことがない
幼稚園の催し
隣の山口公民館で
モノクロ・アニメの上映会
仮装した男を哀れげに見たおれ
性と聖を掛け合わせた惨めな動物たち
そして羽をもがれ、地に伏したるわが同類たち
〈肉体はない、だがまだ死んでいるわけではない〉とつぶやく幽霊たち
そのなかでもっともふさわしい死を撰びだして「幸福」と名づけたい
リズム・パターンに合わせてウォークマンを踏み潰す儀式
あらゆる孔に符合する意識
立ちむかえない数式
ふるい漫画に描かれたねじ式
けもののような愛で、
社会的階級を破壊しろ
政府を倒すんだ
だってやつら、おれたちを代弁しちゃいないから
乳房の揺れ方でなにもかもがわかるって、
隣の男がいる──かれは『優馬』を逆さまに読む
心療内科の待合からガラス張りの市長室にまで届く文明をください
LPいちまいぶんでいいから七人の処女をください
決して諒解を得ないやり方で納税・申告済みの現ナマ800万をください
映画的文法で語られるだろう、おれの死後の処置についてのメッセージをください
そしてあらゆるおれが勃起するだろう、ポルノ・コレクションをください
サンタさん、あんたの時代は善かった
善人が善人らしく、悪人が悪人であったから
砂糖菓子と、デイゴのワインで倖せになれたから
噂じゃあ、天国はいつもクリスマスで、
数万名の使用人は大忙しで、
宴はいつも終わらない
チェックインのカードと冷めない心があればいいと、
死んだ祖母がいってたんだよ
言語学の荒野、解剖学の権威を突き落として、
千年の愉楽へと運ばれてしまいたい
たとえすべてが迷妄であったとしても、
すべてが譫妄に過ぎないといわれても、
永遠なる故郷で、その躰を降ろして、
週末の馬場が好機に充ちていることを願いながら、
じつは死んでいるんだよ
おれはいまでもおもうときがある、
サンタのコスプレをして、
ヘラジカの牝をf**kしたいってね。
★