2020-09-27 秋ひらく 俳句 ふゆぞらに天女来たりぬ督促状 眉痩せる少女の靴がぬめりたり 死せる繭生まれるまえに罰せられ 狐飛ぶ夢見たるや地平線 妬心もてふりむくことの無粋かな 向日葵やせんずり掻いて濁りたり こんぺいとう世界の充ちる音聴く 茜差す世界婦人は臍を嚼む 狂犬病予防せずかな林檎の木 アキアカネ子供の靴の紐を解く なみだぞら時雨れるままのニンフあり 葡萄の実干涸らびながら秋夢む 幼年やあやめの色のべべ濡らす 緑青の少女の着物秋ひらく