仕事がない
金は減る
このおれにふさわしい仕事を
とこしえにつづく仕事を
才能の裏づけもなく詩を書き、
そしてギターを鳴らす
そいつには厭きた
週払いの利く仕事が欲しい
きょうは家電量販店で
仕分けの面接
でも、週払いは原則なしと来る
求人広告は当てにならない
詐欺師どもには飽きあき
ならばどうして生きていくのか
けっきょくはやつらを信じるしかないのか
無秩序の半ばでつぶやくだけの人生
金が尽きるまえになんとかやりくりしなきゃ
借りた映画が観られなかった
アンナ・カリーナの「メイド・イン・USA」
原作はリチャード・スタークだ
おれはパーカーものを1冊しか持ってない
「逃亡の顔」、そいつが題名だ
おれの逃亡は失敗つづき、
だれにも語らずに終わるだろう
2月までの長い待ち時間
その果てへといってみないか?
仕事のないおれと。