はずんだ綿パンの臀が木の向こうに沈んでいく
赤い柄の鋏をもって姉は花狩り
嵐の翌日に万物はゆるみきって
ところどころ溶けている
濡れているものはどれもこれもイヤラシイ
妹たちは犬の散歩に頑としていこうとしない
そのいっぽうで遭難者たちは
夕までにみな帰る
濡れていたものは乾き
狸は庭から引き揚げ
鳥は廃ダムの巣にもどって
ただひとり狡猾なおれが昇りたての月をもぎ取っていく
鋏をもって姉は目下、行方不明
はずんだ綿パンの臀が木の向こうに沈んでいく
赤い柄の鋏をもって姉は花狩り
嵐の翌日に万物はゆるみきって
ところどころ溶けている
濡れているものはどれもこれもイヤラシイ
妹たちは犬の散歩に頑としていこうとしない
そのいっぽうで遭難者たちは
夕までにみな帰る
濡れていたものは乾き
狸は庭から引き揚げ
鳥は廃ダムの巣にもどって
ただひとり狡猾なおれが昇りたての月をもぎ取っていく
鋏をもって姉は目下、行方不明