わたしくし中田満帆主宰による歌誌『帆』第一号。17人よる短歌と批評を収録。反時代的祝祭を彩る、あらたな短歌表現を結集した一冊。序文より《わたしがいま望むのは胸が痛くなるほどに詠み手の内奥が剥きだしになった歌、孤立を超えてゆく愉楽を伴った歌である。静寂を突き破って聴くならば、そんな歌こそが必要におもわれるからだ》。短歌について、おまえの流派をつくれといわれたのが、たしか2年まえ、そして歌誌をつくれといわれたのは今年の1月19日だった。そして5月の終わりから、さまざまなひとに声をかけ、協力を得、だすのが『帆』である。わたしには歌人との繋がりもまったくなく、ほとんど無計画に進めていったものの、ある程度うまくいったようである。次号からはさらに人選を吟味し、詩人による短歌と、10代の歌人たちを集めた「ハイティーン歌集」の企画を現実のものとしたい。
今後の流れとしては、制作補助の果実氏が全国高校の文芸部に歌誌とフライヤーを配布、次に委託販売、そして献本が決定しております。来春には第2号をだすつもりです。よろしくお願いします。
歌誌「帆」《初号》 2022 夏/¥1500
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序──若い晩年(2)
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みどりいろの窓/UーREI(4)
夜歩くただ歩く/うたたね 宥樹(8)
長い腕のなかのおとぎばなし/奏多めぐみ(9)
流れ/朝(14)
星色の産毛/手塚雄呂血(18)
夢が断たれて/皆川健二(20)
蜜月関係/鷹枕可(24)
無題/柳煙(33)
〃/きのゆきこまち(36)
いつまでも遊んでいる/帆場蔵人(38)
般若的慟哭/安西大樹(40)
たましひなりき/帛門臣昴(43)
花を剪る/中田満帆(46)
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歌人素描/花島大輔(52)
甘ったれたヨハネたちへ/犬飼うろ子(63)
内なる鬼を放つ〜《水野しず》をめぐって/うたたね 宥樹(64)
邂逅とはかつての傷口をひとつこじ開ける簡単な作業/帆場蔵人(68)
作品雑感/井上橙子(69)
ライトヴァースは歌を見失った/中田満帆(73)
自由欄○腐敗性政治的猥褻物/下山陽造(77)
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短歌について、作品について、歌誌の印象について○参加者座談(81)
参加者来歴(102)
編輯後記(104)
告知○ハイティーン歌集・募集(105)
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オンデマンド出版・販売ページ