みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

鴎の画(2015)

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 狐火に降る雨寒夜男来ぬ



 飛びかたはなめらかならず鴎の画



 画のうちの木工ひとり休息なし



 古本と少女はひとつ過ぐ冬の



 初冬の男たずさう表紙絵は時化て



 灯火のいろいろのみか画面の都市



 凪失わば飛ぶそらあらず一羽の青年



 飛ぶそらもあらず精神病棟の冬



 おもかげを充たして枯るる木木並び



 死を書けば枯れ葉とともに午后訪れる



 飛ぶもののかげの青きに手は触れ光り



 答えもたずが枯れ葉の問いを胸に抱くかな