みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

歌集表紙再制作&値下げ

 

 きょうになって歌集「星蝕詠嘆集/Eclipse Arioso」の表紙を再制作しました。というのも解像度がわるく、文字が滲んで見えるからです。題名の表記も改め、ariosoのaを大文字にしました。ほかはほとんどおなじです。ただバーコードの透過使用が以前と作成方法がちがいます。以前はどうやったのか?――まったくおもいだせません。

 また値段も¥2500から¥2000に下げました。歌集で儲けようなどと、不届きなことを考えていたのですが、実際売れていませんし、文学フリマにだすにあたって釣り銭が面倒なので変更しました。あしからず。

 

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ご注文はこちらから

 https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=99078204

夢の亡命

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 夢を鋳造する道具がほしい
 階段のうえで夜が
 問いかけるから
 他人の室から他人の室へ移動する
 平行線上の窓に人参が大きくふくれあがる
 かなしい大根の、葉っぱがゆれて、
 まだだれも殺したことのない手で料理しつづけるとき、
 からみついた助詞が文語と和解する、亡命料理の図鑑だった
 みんな、ばかだねとメカジキが吠えてる
 きっとだれもいないくなった室で、
 身を横たえることの技法は、
 ひらがなでなければならないのだ
 それならば夢はふたたび主語へと還元される
 おおきな林檎のなかでだれかが泣いてる
 ガス・スタンドの灯りのもとで、
 ローズマリーの壜を見つけた
 やがて鋳造される夢のために家庭をしつらえよう
 ひたすら他人を犠牲にしてメークインを切りまくる
 ソラニンが生えてきたから、殺戮を始める
 きれいだね、きたないね、でも、きれいだね
 遠心分離機がマクベスを朗誦するあいだ、
 ふりむいた顔が他人じゃなかったというだけの理由で、
 ひとがひとり、ひとでなくなり、
 あらゆる名詞を失った、子供が隧道のむこうから、
 ぼくを呼びつづけてる。

 

短篇集、表紙再制作。

 短篇集の見本が届いたので早速検討に入りました。背表紙の文字がはみ出してしまっていたので、再制作しました。これで無事、本番の入稿に入れそうです。ただまだ本文はチェックしていないので、これから作業に入ります。

 

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 ちなみにこの図案は、'17年の個展のフライヤーの転用です。

 

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無料詩集「point break」脱稿。

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 詩誌への無料配布詩集「point break」完成。サンプル版をいま発注。オンデマンドだと、わずか1冊¥300。午に印刷屋で見積もりとってもらったときには20冊で¥16000だったのに。これならなんとか配れそうだ。以下、収録作。

 

 ぼくの雑記帖(2003)
 好きなもの(2004)
 太った聖者(2007)
 停留所(2010)
 ぼくは小説家になろうかとおもった。(2011)
 遺失物預かり所⇒(2012)
 e・e・カミングス(2013)
 清掃人(〃)
 武装(2014)
 no tittle 無題(2016)
 まなざしも、まなざしも、(2017)
 狐火(2018)
 水死人(〃)
 PM20:59(2019)
 それはまるで毛布のなかの両手みたいで(〃)

 

中身はリンクにあります。

book.pdf - Google ドライブ

短篇集「旅路は美しく、旅人は善良だというのに」改訂新版

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表紙

 おととしにだした短篇集「旅路は美しく、旅人は善良だというのに」を改訂、新版をだすことになりました。今年の文学フリマのためにです。表紙、収録作も変更しました。きょう、サンプルを発注したので、校閲をもういちど紙の状態でやってから、販売開始します。よろしくお願いします。

 

 旅路は美しく、旅人は善良だというのに *11
 れもんの若い木々 *47
 愛についてのみじかく、そして淡いなにか *64
 ディック・フランシスを読んだことがない *70
 家出娘 *82
 ひと殺し *84   
 からっぽの札入れとからっぽのお喋り *94
 インターネットと詩人 *100
 小説のあいまに *105
 おもしろおかしく生きて死にたい *112
 みずから書き、みずから滅びるってこと。(Reprise)*137
 オイルサーディンによって書かれた詩論 *160
 パンケーキの墓 *167
 エセ詩学の半ダース・パック *184
 犬を裁け *192
 それはまるで毛布のなかの両手みたいで *256
 光りに焼かれつづける、うち棄てられた冷蔵庫のブルーズ *279

   著者略歴 *303