みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

2018-11-05から1日間の記事一覧

愛/チャールズ・ブコウスキー

試訳=中田満帆 ラヴって、かれはいった、おたわごと おれに別れのキスを おれの唇にキスを おれの髪にキスを おれの指に おれの眼におれの脳に 忘れさせてくれ ラヴって、かれはいった、おたわごと かれは3階に室を持ってた、 1ダースの女からふられた 35…

november/晩秋の一夜

* 黒がねの馬の蹄のように鳴る吾の革靴よ闊歩、kappo! 遠ざかるうなだれるかれ晩秋の一夜のように立ちあがれない 斑鳩のそらよひとひら羽が落ち町全体を包む漆黒 倦めばただ天井見つめひとときの虚ろのなかをさ迷いし哉 黒雲のむかうところにたどり着くさ…

からたちの花

ユウコのために ユウコ、かつてのぼくはきみが好きだった ぼくがきみを好きになったのはたぶん、 きみの気怠さやつらそうなまなざしがぼくの、 ぼくの琴線に触れてやまなかったからだって 有馬高等学校定時制課程の教室を懐いださせる 緑色の上着に白いシャ…

オイルサーディンによって書かれた詩論

* 文藝は淋しさばかり書架の秋 * 窓からそとを見る。どうしてあんなところに大型トラックが停まっているのかとおもう。これぞ詩だ。いまさらいうべきことなんかない。わたしが詩というものを書いてきてもはや15年になる。年数はどうだっていい。どうして詩…