みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

うまくやりおおせればいい

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「うまくやりおおせればいい」

 1)
 岐路を過ぎて いまだ
 いまだ運べない自身
 不退転 遠く 遠く 遠く
 だれも いやしない

 できることなら いま
 できることなど ない
 できることなら 告げたい

 もしも瞞したければ 声をかけてくれよ
 もしも腹が立つなら 唾を嘔き かければいい  
 うまくやりおおせればいい*2

 2)
 秋の路次 にて泣き噎ぶ
 失態 青黒い
 夢はまばら 星みたく
 だれもここにいやしない

 ハラカラなんか いない
 ハラワタだけが 熱い
 できることなら いまも

 どうか忘れておくれ 草臥れた この 気狂いを
 どうか閉ざしておくれ 朽ちかけの 古い 木戸を

 3)
 ひなびたおもい 腥く
 行方なくし 放たれず
 回転 早く 早く 早く
 遠のいていく ぼくのかげ

 きのうみたいにおもう
 憬れていたものを
 でもきのうにはもどれない

 いくら問いかけようが だれの答えも得られない
 いつか忘れられると ひとり立って待っている
 うまくやりおおせればいい*2

年賀状なるものを久しぶりにつくった

 もうじき今年も終わりというわけで、年賀状を20年ぶりぐらいに自作した。上の猪はかつての同級生に送り、下は森忠明先生に送る。スキャンした画像ではわかりづらいけれど、表面に銀の岩彩を用い、きらきらと光るようにした。

 

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おれのノート/来年の予定とともに

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   *

 

 デモ音源の録音は終わった。全5曲。あとはCDの原盤とパッケージづくり。たぶん来年になるだろう。音源は30枚ほどつくって、半分を売り、もう半分をオーディションに送ることにした。ベルウッドか、フォーライフあたりがいいなとおもってる。来年、まずは印刷屋と交渉だ。紙ジャケットをつくってもらい、裁断してもらうことにした。いくら予算がかかるのか。'12年にもサウンドアート作品を、モトコーにある印刷屋でやったのだけれど、¥5000くらいかかった。つぎはもっと近所の印刷屋を使う。そこは「38wの紙片」の初版や、個展のフライヤーなんかを刷ってもらったところだ。大して高くはならないだろうと踏んでいる。そのいっぽう長篇小説「裏庭日記/孤独のわけまえ」は持ち込み先がなく、「文藝」の編集長宛にだしてみることにした。平野啓一郎方式だ。まあ、期待はしないが、だれかを怒らせることができたらいい。幻冬舎自費出版にもデータを送ったが、当然ながら幻冬舎からだす気はなく、ただ編輯から改稿すべき点を聴きだせればよいという腹づもりだ。

 

   *

 

 賞については、来年の「現代短歌」300首、「文藝」最低100枚、清里ヤングポートフォリオだ。森忠明先生からしつこく「短歌を本業に」とおれはいわれてる。でも、いまだに文語表現が稚拙で、「現代詩フォーラム」では文法パトロールに耳痛い指摘をされてる。かれは山崎方代も平井弘も認めていない。文語・口語の交接というものを否定してる。もちろん、それを個人の見識として片づけるのは容易い。けれどもおれは文語について学んだうえでそうしたい。というわけで、角川からでてる「短歌のための文語文法入門」を買うことにした。ともかく来年に第1歌集をだすために準備するしかない。
 小説は目下のところ、ノートにイメージを書いてるところだ。映画「エル・トポ」みたいな小説になるかも知れない。いまはインプットのためにイメージを追いかけるしかない。つまりは他人の作品から学ぶしかない。本を読み、映画を観る、ただそれだけの状態だ。
 写真は先月から「when you're growing up in a small town」と題して4年ぶりに生野高原で撮ったものを中心にする予定だ。前回、生野にいったとき、3本めのフイルムをだめにしてしまったから、あと1回現地にいって撮る必要がある。しかし交通機関のない土地なので交通費にだいぶとられてしまうのは決定だ。賞に応募、そしてポートフォリオの制作と配布、それが予定だ。

 

   *

 

 絵についてはデッサン教室に通うことにした。おれはずっと基礎を蔑ろにしてきたから、いい加減に向き合わねばならない。3ヵ月で2万未満という安いところを見つけたのでそこにいくことにした。

 

   *

 

 高校時代の担任と電話で話した。作品を買ってくれるらしいので発注することになった。早くまとまった金で在庫を持てるようになりたい。

 

   *

 

 今年はオークションで安いビンテージのウェスタン・シャツを買いまくった。来年はズボンや靴に拘りたい。なくしてしまった時計も、できればおなじものを再入手したい。いまでは入手困難でプレミアがついてしまってるが、なんとかしたい。とにかく清潔な身なりをして町を歩きたいところである。ちなみにいまおれが穿いてるズボンはZOZOTOWNで買ったもの。けれども股上に孔が空いてて、あたらしいものがいる。無印良品でけっこうなのだが、いまのおれにとってはそれすら高く感じてしまう。もっと身嗜みというものに投資するべきだと感じる頃日である。

 

   *

 

 夏頃にはあたらしい趣味として立体造形に取り組みたい。とびっきりエロいフィギュアをつくりたい。

 

   *

 

 しかし、なににつけても先立つのは金である。とにかく作業所の仕事をちゃんとやらなけりゃならない。たった時給¥200、それだって金は金だ。あとは父のゲストハウス計画を手伝うこと。なくした時計のせいで¥40000ほど遣うことになりそうだし、4月まではずいぶんと苦しいおもいをしなけりゃならないだろうと考えてる。それに罰金刑の裁判がまだ終わっておらず、判決は来月26日。減額が可能かどうかで呻吟中。

 

   *

 

 食事。──最近は業務スーパーリングイネを喰うことが多い。あるいは鶏胸肉のサラダ。ちょっとばかり太ってしまった。また玄米茶漬けや炊き込みで暮らすことになるだろう。

 

   *

 

 来年にはついに胸の金属バーを抜ける。これがあると筋トレの邪魔になる。痛むこともなくなって動きやすくなればいい。

 

   *

 

 今後の予定

 音楽/ジャケット発注、CD発注、オーディション用の写真撮影、書類作成
 写真/生野高原にロケ、過古作品のデータ化、賞への応募
 短歌/文法の勉強、300首詠む、歌集準備稿・下巻の作成、賞への応募
 小説/中篇100枚(3月までに)
 絵画/デッサンを中心に基礎をやる
 そのほか/時計、ズボン、ベッド
 

    *

曲をアップした、どうか聴いてやって欲しい。  

Mitzho Nakata | Free Listening on SoundCloud

 

 

 

断食藝人の日記帖2018/NOV

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画像は画像です。

11/01

 

 朝、ドトールにて朝餉。チキン・カポターナとアイスティー。楽器屋にてあのギターを取りにいくも「ない」といわれる。型番も品番も不明らしい。悩んでいるとややあって店員があのギターを持って来る。値段が高くなっている。頭金として三千渡す。そのほかオクターヴ・チューニングやアクアパスについて訊く。アクアはおそらくおれが売ったものだ。「ブックス・カルボ」にて「アウトローに晩夏はいらない」と「映像の無頼たち」を買う。いっぽうモンティ・パイソンの時計は¥6500から¥44000まで高騰。しかたなく¥1万400のものを買うことにした。ネット屋でひさびさに書き込み。しかしもう文学極道には旨みがない。現代詩フォーラムのほうがましだ。安物買いの銭失いをやらかす。田辺マモルとマーガレット・ズロースを注文。夕方になって「江戸前えびす」へ。ひさしぶりに鮨。海鮮丼と生鰺を喰らう。〆て¥860。女店員に憶えられていて、「兄さん、ひさしぶりですねぇ」といわれた。よほどおれは目立つらしい。わるい気はしないが。
 玄米、アボガド、ローズマリー、シメジ、アンチョビ、タイカレーを買って帰宅。読書。キングブラザーズの虹盤を聴いているうちに寝落ち。

 

11/02

 

 午に起きる。教会の鐘の音。1時に起きて身繕い。... ...ボイラーの調子がわるいから、給湯器を利用して躯や頭を洗う。... ...NTTに電話。ネットと電話。... ...残念ながら工事は12月初旬だ。... ...ローソンでマイナンバーをfax送信。... ...あわやカードを忘れるところだった。... ...インドの青鬼を呑みながら帰る。ヘルパー女史来たれり。NTTに通電。... ...報告。... ...そして森先生へも。... ...29分、... ...喋る。... ...女性論を中心に傾聴致す。衣類を送ってくれるとの由し。高橋由一の絵を観たい。... ...ヘルパー女史が... ...詩集を買ってくださった、... ...¥1300なり。... ...僥倖である。... ...篤信である。
 その... ...金を持って大安亭へ。... ...業務スーパーにてオリーブ油、オリーブ、赤インゲン、オイル・サーディン、レモン果汁、蒜ペースト、アールグレイ... ...八百屋にてパセリ、鶏舟にて胸肉200鞍牟。... ...ダイエーでジン・トニック、ネット屋へ。... ...「文学極道」に最址のコメント。... ...あとは勝手にしやがれだ。... ...運営なんざけつ喰らえってんだ。帰りがけにウィルキンソン・ハードを買う。... ...残金なし。... ...家に帰る、... ...ガスがつかなくなった。... ...電池切れだ。... ...仕方なく檸檬と蒜ペーストと塩で消毒した肉を当てにタコライスをつくる。... ...舌が痺れる。... ...辛い、... ...熱い。... ...あッ、... ...したは炊きだしだ。

 

11/03

 

 テレヴィジョンを聴きながら寝落ち。8時半に起きる。先廻りして考えることの重要性をおもう。きのうのアラガイとの一件。たしかにおれがやつを傷つけていたのは確かだ。こんなことはもう終わりにするべきだ。
 負の連鎖から戦線離脱すること。白旗掲げてけつを捲るしかない。ちがうかい? 蝗の群れにおもうところなんかない。ひとの作品の尻場に乗って攻撃するやつなんかおれの世界にいらない。そいつを匿名掲示板で横槍を入れる資格のあるやつなんかいないんだ。小谷野敦がいっているように匿名の必要性のあるやつなんざほんの一握りである。おれがなにをいってもだれもかまわないように、ほかのだれかがなにをいってもかまわないんだ。
 管理会社へ電話。ガスの件は自己負担。共益費はいったいなんのためにある?──ネットは大家の印鑑がいるとのこと。2分通話。炊きだしにはいかなかった。図書館へ。「シナリオ・プランニング」、「ドラッカーの思考法」、「鈴木清順エッセイ・コレクション」を借りる。貸しだしカードがなくなっている。

 ふたたび時計を探すもなし。各所に連絡するも手がかりなし。今月中に買うしかない。1万くらいなら大丈夫だ。在庫が心配である。アールグレイに蒜ペーストとレモン果汁を入れる。18時に夕餉。茶漬けに蒜ペーストと卵とローズマリーを入れて喰らう。玄米を鍋から釜に移す。保温。予算がないので作品がつくれない。ギターとマイク、プリンタのインクがいる。じぶんの曲をひさしぶりに聴く。なかなかわるくない。そろそろ短歌の準備だ。歌篇「november/晩秋の一夜」を1時間半で書き下ろし。あとは「ラブ&ポップ」を観る。そして英詞「I wanna be a smart lady」を清書。

 

11/04

 

 ジョン・ルーリーを聴きながら寝落ち。7時半に目醒める。起床は8時50分。印刷予定の原稿を纏める。昔しに書いた「浜辺の唄」を改作する。ポスト・ロック調の佳曲。昼餉にオイル・サーディンと卵の茶漬け、というよりも雑煮を喰らう。そして森先生へ追伸を打つ。そのあとはまえのまえの電話で英語の訓練。
 夕方、マーガレット・ズロース「雛菊と蜜蜂」が届く。「おやじ」と「数え唄」はdvd で識っていた。なんというソフトなのか、もはやおもいだせない。たしか3曲づつ入っていた記憶。宙ブラリやインヴィジブル・マイ・デス・ヘッドも入っていた。たしか十三ファンダンゴで買ったんだ。森先生へ絵葉書を書く。さらに「浜辺の唄」を改作。Bメロの一部をサビに移植。

 

11/05

 

 五時台に目醒める。もう少し眠りたい。暖房をつけ、「浜辺の唄」改作、「枳の花」を完成させる。ギターを迎えにいった。色っぽい。アクアパス試奏。

 

11/06

 

 図書館へ。カードの紛失を申告。酒を呑みながらネット屋へ。「ざくろの唄」に反応あり。宙ブラリの「アイアイアイ」を注文。おれの「夜」が優良作品に入ってた、どうでもいいけど。

 

11/07

 

 酒で記憶がなくなっている。それでも少ない小銭で呑む。いつも金がなくなってから抗酒剤を呑んでいる。まったく意味なし。ひさしぶりにデジタルウィング、医者。

 

11/08

 

 炊きだしにはいけずじまい。空腹抱えてギターと服を売りに行くもだめだった。「ダイナマイト」にいけば売れたかも知れない。でも、どうだっていい。けっきょく便所のなかにおきざりにした。空腹を抱えて帰る。あしたはヘルパーが来る。飯代をいくらか出してもらうしかないだろう。あとはガスの件だ。漫画の作画を始める。試しに表紙のみを転写して骨書きしてみた。しっくり来ない。インクやペン先が合わないのかも知れない。けっきょくはトレーシング・ペイパーを裁断して、サンプリントで印刷するしかないだろう。まずは裁断のために漫画原稿用紙の徴を入れることだ。
 田辺マモルの「カセット&ガゼット」が届く。「一緒に寝たけど-」のPV冒頭で流れていた唄は入ってなかった。ガス代に¥4000ほど払わなくてならない。本の発注は売り込みを優先するしかあるまい。絵はけっきょくあまりうまくいかない。徴はなしだ。とにかく裁断してから裏に原稿用紙を貼ってモノクロ印刷するしかないだろう。まあ、漫画は後まわしでもかまわないが。表紙のみ色をつける。よくない。

 

11/09

 

 饂飩を喰ったあと、午まで寝る。首が痛い。ギターの練習。「kaze-」を重点的にやる。唄と同期させてサビをやるのがやっかいだ。落ち着きがいる。カポをつけるとビビリ気味になるのが気になる。ガスの件はけっきょく金具を掃除してなかったからだった。
 ヘルパーの恩義にぶら下がってカーテンと食事を買いに。前者は少しずつ返済しなくちゃいけない。厄介だ。宙ブラリ「アイアイアイ」が届く。あまりよくない。バッドニュース時代の音がよかった。無理な行動で大部分を消費してしまった。来週の作業に支障がでないか、心配である。夕餉に蒸し鶏のサラダと茹で卵、麺麭三つを喰らう。

   *

 「浜辺の唄」はなかなか完成しない。ドラムマシンを使ってノリを確かめる。やはりどのコード進行もいまひとつだ。バンドアレンジに拘りすぎて、弾き語りに合わないのだ。躯の震えが気になってまともに本も読めやしない。11時まえに薬を呑んで眠る。

 

11/10

 

 まず夜中に眼を醒ます。それから5時半に。それから9時半に起きる。久しぶりに腹筋運動。それから朝餉に茹で卵。なにをするにしても頭が働かない。昼餉にペペロンチーノ。ソースが少ない。昼寝してから、けっきょくふたり分を平らげる。小説、校閲。「裏庭日記/孤独のわけまえ」はふたたび有料公開することにしてテキストへ。パンフレット小説の表紙の画質がわるいので別の画像で再制作、題名も変更。これは澤、中島の両氏と、森先生へ送る。夢沢氏については不明。ひねもす、だらけた生活。力が入らない。左の奥歯に軽い歯痛がある。日記や散文、あるいはほかのものとごた混ぜになっている作品を整理する。特に日記はこれから有料公開することになったから重要。金のためだ。俳句もまとめる。売れる作品をつくりつづけること。無料公開は蒔き餌でしかないということをつよく自覚する。短歌もまとめた。なんでもかんでも無料公開してきたじぶんを悔やむ。ブログは仕方ないとして、観客のちがうnoteじゃあ、もっとうまくやるしかない。
 あたらしく俳句を詠んだ。これは森先生を通して推敲する。できれば今月中になんとかしたい。

 

11/11

 

 堀川早苗を聴きながら寝落ち。朝から怠い。眠い。茹で卵をふたつ喰らう。俳句のつづきをやる。あしたはとりあえず、きょうの晩までにおもいついたものを発送する。そのなかから厳選されたものだけをネットに載せたい。なるべく欲をかかないことだ。じぶんのホームグラウンドでしかやらないこと。「フォーラム」も「ブンゴク」も意味がない。けっきょく朝寝する。ひどい悪夢を見る。昼餉にペペロンチーノ。鯖の水煮とパセリ、ブナシメジを和えてだ。けっきょくふたり分を喰らう。月2回ならいいだろう。句集と歌集を編輯、森先生への手紙をしたためる。ネットにだす文章を撰ぶ。今月から「when you're growing up in a small town」という題で故郷を写真にする。3時からギターの練習。いまだに「kaze-」の二番のサビが弾き語れない。細かいフレーズが理解できてない。いまのままでは同時録音はできない。エレキで「浜辺」をやる。コードも歌詞も変えた。しかし弾き語りでどうなるのか、アコギで試さなければならない。そのまえに弦を買うことだ。曲に関してはしばらくコピーでもやって楽曲構成を学んだほうがいいだろう。「はっぴいえんど」と「レディオヘッド」のコードスコアを買うこと。あと7時間潰したら寝る。きのうの無茶な自涜のせいで包皮が赤く腫れている。まるでダウンジャケットを着た人形みたいだ。竿ではなく、亀頭で逝くことを憶えなけりゃいけない。からだによくない。無論、魂しいにも。いっそ切ってしまいたいが、金がない。
 あしたは金が入るが、ガス代と作業着と足代で逼迫するのは決定だ。父が交通費をだしてくれるかはまだわからないし、あしたの仕事が用意されているのかもわからない。ともかくあしたはコーナンまでいかなくてはならない。早いところ、汚れ仕事を片づけてしまうことだ。最低でも15日はいくこと。夕餉に茹で卵ふたつ、鯖の残りと和えることにした。カレーやスープの用意もできるだろうが、きょうはそんな気分ではない。とてもじゃないが、料理をつくるガッツもない。品切れだ。ノートに右手で書いてみたが、それはわたしのピッキングのようにぎこちない、不安定なものでしかなかった。日常的に書く必要がある。そうすればもっとギターがうまく弾けるのかも知れない。
 1がつづく日、昔しの「ミリオンナイツ」というラジオ番組を懐いだした。オダシズエとかいう女DJが11時11分11秒をいつも告げていた。たしか最終回をカセットに録音した。うんざりしながらチャンドラーの「妹」を手にとってみる。湿った室やものの感触が忌々しい。ギターの音に苦情あり。夜中にビックマフの具合なんざ診るもんじゃない。マイクよりもヘッドホンをさきに買ったほうがいいのか。100円のイヤホンでもいいが。兎にも角にも貧すれば鈍すると来たもんだ。まだ21:14。寝るには早い。仕方なしに「ギターマガジン」を読む。

 予定:役所、ネット屋、印刷所、郵便局、コーナン、出屋敷作業。

 

11/12

 

 堀川早苗を聴きながら寝落ちはできず。9時に起床するも眠い、ふらつく。くるりさよならストレンジャー」を聴きながら入稿原稿の確認。役所を経てネットにいろいろと投稿。13時を過ぎてから出屋敷へ。鉄骨の組みあげ作業。帰ってマイクと山本美希「サニー・サニー・アン」を注文。

 

11/13

 

 12時に出屋敷へ。3時半に作業終了。昼餉におにぎりを喰らう。2千円入る。あしたはデジタルウィングへいく予定だ。ネットにいろいろと投稿。粗悪な酒を呑みまくってjet jhonsonを聴きながら寝落ち。

 

11/14

 

 寝酒はよろしくない。空腹のなか、再配達のマイクが届く。部品が余ってしまった。説明書が不案内、画質がひどい。あした、工賃が入るらしいがいったい幾らか?──大安亭までいき、卵とブナシメジとオリーブ罐を買う。業務スーパーリングイネがあった。帰りにダイエーでヘッドフォンを買う。デジタルウィングへはけっきょく間に合わない。あした工賃をもらってまた出屋敷だ。今度は打設作業。しかし長靴がない。マイクを試すものの、拾う音が小さい。設定をいじくる。けっきょくこのマイクはボーカル用だ。ギターの録音にはふさわしくない。安いスタンドマイクを買ってオケを録るしかないみたいだ。昼餉に茹で卵とペペロンチーノ。喰っても空腹。体中が痛い。ひどい筋肉痛だ。右半身がとくに痛む。通院をあきらめ、4時から21時半まで眠る。やたらに鮮明な夢を見る。起きて夕餉。茹で卵と玄米とスープ。それでも空腹感。疲れた。とにかく疲れた。

 

11/15

 

 寝足りないなかでデジタルウィングへ。工賃は2時ということで、それまで作業。またもフォトショップでとちる。けっきょく¥1500しかもらえなかった。終わってからブラックニッカを呑みながらネット屋へ。USBを忘れる。もうブンゴクには投稿しない。作品の質を落とすだけだ。人間の品位を落とすだけだ。それにもうおれの作品に興味を持つ人間がいない。うけるための蜻蛉返りにもすっかり厭いた。ほかの連中の作品にもうんざり。それにおれ自身がすっかり老害でしかない。蝗どもの言動にもうんざりする。「からたちの花」を削除。あれをあそこにおくのはよくない。大事な祐子への詩をあんな穢らわしいところにおいてはだめだ。フォーラムではコホウがおれの作「サービスエリアにて発見」にポイントを入れていた。「感性がいい」という。よくわからない。文法、語法を訂正して終わる。荒木せい子氏が謎めいたメールを送っていた。前回のメールにどっかの歌誌だかの画像を添付したもの。春日井建の斬首云々の歌に三島由紀夫云々の解説が載っている画像だった。いったいどんな含意があるのか。
 帰って森先生へ電話。岡倉天心茶の本」を必読といわれる。けっきょくかれに詩がうけないのは、おれが詩を書くうえで「読ませる/売る」ことばかり考えて力み返っているからだとおもう。短歌にはそれがない。それに毎回ちがった視点で書いている、不連続的であるというところもある。売れようとする五流の人間であってはいけない。児童劇についても聴く。子供の視線の厳しさをおもう。数時間、寝る。電話、森先生からだった。中田満帆歌集・準備稿を再読したとのこと。激賞される。しかし短歌の新作にはきびしかった。荒木氏と荒木田氏に電話するも繋がらずじまい。詩についてはおれも宮沢賢治や松本圭治や大江充あたりでも読むしかないような気がする。まあ、詩にはあまり期待していない。短歌や小説のほうが書いていて愉しいからだ。愉しく書けないようならば筆をとめてしまうのがいちばんいい。そこにはなんの進展も冒険もない。きょうからシアナマイドを呑んで禁酒。

 

11/16

 

 まったくひどい眠りで、朝を迎える。ペペロンチーノと茹で卵を拵え、喰ってでる。きょうはずっとコンクリート打設。いちばんいやな作業だ。どうやっても汚れるし、肺や咽に粉塵が入る。マスクすらないと来る。けっきょく3時にはあがって医者へ。それから図書館、業務スーパーとつづく。さすがにアルコールはもう潮時だ。左腕と右脚が痙攣をやらかすし、タイプミスもひどい。挙動不審になってしまう。きょうから3ヶ月は禁酒してしまったほうがいい。あしたはカーテンを取りにいく、炊きだしに並ぶ、ベトナムの即席麺を買いにスーパーへいく。11時まえにはでなくてはいけない。きょうはさっさと眠る。眠るまえに歌篇「月夜のドライヴ」に手をつけよう。
 けっきょくそれも21:14に終わる。なにもない。詩についてはもっと実験的になってみるしかないかも知れない。

 

11/17

 

 薬の呑みすぎでひどい目醒め。なんとか茹で卵ふたつ喰らって外出。まず大安亭で即席麺を買い、図書館で本を返し、カードの再発行。炊きだし。中華丼もどきと柿。それからまた図書館へ。岡倉天心の本を探す。いろいろと借りて9点。予約もする。ポパイでUSBメモリを回収、カーテンを受取。帰ってまず寺山修司悲しき口笛」を読む。散文のために「デモ」についての記述を写す。それから岡倉天心茶の本」についてのNHKテレビテキストを読む。森先生のいった、「あんたの詩には茶器がない」の意味がなんとなくわかった。つまりは自我が器のないところで、余白もなく潴になっているということだ。虚がない、鑑賞者の参画余地がないということだ。いまのおれは剥きだしのエゴイズムの発露でしかない。──これは寺山修司三浦雅士に語った演劇・物語論にも通じる。早速実践に移したいがどうしたものか。「からたちの花」の改作をおもうが、きょうはちからがでない。自然とともに書くということ、書くことが自然であること、自然に書けるということ、あるいは自然によって導かれて書くということについて考える。
 夕餉、即席麺を三つ、目玉焼きをひとつ喰った。俳句をいくつかつくった。歳時記も借りたけどこれはまたあしただ。宮沢賢治の文庫全集から「春と修羅」、「短歌」を借りた。こいつを読みながら寝落ちするか。詩をふたつ書いてみたが、まったくの駄作だ。書くんじゃなかった。

 

11/18

 

 堀川早苗で寝落ち。11時にようやく起床する。茹で卵ふたつ。頭に鈍痛がする。昼餉にペペロンチーノ。俳句を書いてからソロ・ギターの教本を見る。まったく弾けそうにない。基礎からやらねばならない。チャンドラー「妹」再々読、終わる。気づくと4時。即席麺を茹でる。早晩、テスト録音。ギターをサウンドエンジニアで録って、ボーカルをmixpadで。ミックスが有料機能なので、SEで結合する。ボーカルの処理に手間取る。基本的には薄いリバーブをかけ、片方のチャンネルのサビに強い残響とコーラスを施し、あとはラジオサウンドにした。高音域の補強もした。だいたい理想通りの音だが、ノイズが多い。あとはテンポと演奏の維持(サビで崩れやすい)に気をつけること。
 音楽活動についてはそう急ぐこともないのかも知れない。それにいきなりセミ・プロ級の設備を求めるのも時期尚早な気もする。とりあえず安いマイクか、ストラップ、もしくはカポタストを買うべきか。あるいは予備の弦だ。まずはカーリーズの支払いと食料品を確保することだ。

 

 必要なもの:高感度フィルム
       マイク
       カポタスト
       マスク
       足代
       フィンガーピッキング、ソロ・ギターの指南書
       ミディアム・ゲージ
       
 支払い:電気料金 ¥2000
     ガス料金 ¥2000
     ジャストシステム ¥1080
     カーリーズ ¥3000
     富永クリニック ¥2000

 

11/19

 

 グッド・ライフで寝落ち。朝、残った麺を喰い、外出。ネット屋でいくつか入稿。カーリーズへの払いとロモのフィルムを買う。プレピーを求めるもミントの文具屋にはすでになし、ナガサワにもなし。スメナ・シンボルとファウルの音盤へ入札。サニーデイ・サービス「24時」の楽譜を買う。印刷屋で森先生への作品を纏め、郵便局へ。2千円下ろして食費に。大安亭で卵と岩塩とリングイネ、レンズ豆と赤インゲン豆、ペペロンチーノの素をふたつ、青紫蘇ドレッシング、燕麦を買う。帰って荷を降ろし、そこで寺山修司松田修賛江」を送り損ねたことに気づく。ポートフォリオ月曜社宛てにした。スメナのオークションが終わるころにふたたびネット屋へ。落札できた。あとはファウルだ。エロ動画を仕入れてでる。帰りに鶏胸肉と胡瓜を2本買った。帰宅すればもう23時だ。金があらかたなくなった。コンビニで残金確認、¥2780しかない。ファウルを払うと1280だ。そろそろまた出屋敷にいかなくてはならない。少しでもプラスにするにはそれしかない。

 

11/20

 

 フランクス・ワイルド・イヤーズで寝落ち。頭がすっきりしない。蒸し鶏のサラダと茹で卵を喰らう。一発、****で抜いてから湯浴み。しばしまどろみ、寝る。さらに頭が重くなった。フィルムが届く。三つ入りとは安いものである。しかし好み、本命はシネフィルだ。来月まで辛抱するしかない。さっき父に電話したがでなかった。運転中だろうか。ともかく夜にふたたびというわけだ。写真についてはまずはミノルタで撮るしかない。午后になって外出。作業所にはけっきょくいかずに終わる。KOYOでセロリと鶏胸肉を買う。ダイエーよりも安い。あとはダイエーでカット野菜(野菜炒め用)。
 ネット屋で「飛べる監獄」を削除し、「かたむく、かたぶく」を「アルコールと詩をやめるということ」のリンクとともに投稿し直す。コメント欄で心情を語る。だれも読まないだろうが、もうしばらく詩はいい。少なくとも読むだけでいい。書きたくはない。1時間も待って通院して帰る。落札したカメラはあした発送らしい。サニーデイはきょうだった。今一度家に電話するもだれもでない。茹で卵ふたつ、蒸し鶏とセロリのサラダを喰い、薬を呑む。

 

 来週支払うもの:ガス料金 ¥2000
         富永クリニック ¥2000

 必要なもの:カポタスト
       マスク
       ミディアム・ゲージ
       マイク   
       多重録音のソフト

 

11/21

 

 朝、電話するも繋がらず。9時過ぎにむこうから掛かってくる。きょう、いくことにする。茹で卵ふたつ。あとは麺麭でも買って喰らうことにする。広末涼子ARIGATO!」を聴く。あと4日の辛抱だ。ネット屋に半時間、カメラの発送を識る。あとはなにもない。せいぜいサウンドクラウドに曲をあげただけだ。松岡正剛稲垣足穂さん」を読みながら出屋敷へ。きょうは壁づくりで終わる。次は金曜日に電気工事。2千入る。セロリと鶏胸肉を買う。帰って肉と野菜を炒め、生姜ペーストとペペロンチーノの素を混ぜた。そいつを喰って俳句づくり。これは角川俳句用だ。けっきょく角川短歌には掠りもしなかったようで、なんの連絡もない。先月号にもしかしたら載っているかも知れない。あした、森先生へ連絡して訊いてみる。図書館も同じく。来年までに作歌して応募する。その結果はもうどうだっていい。ただつくる動機が要るだけだ。春か、夏までにはハードカヴァーの歌集をだす。恵送宛ては森先生が決めればいい。必要なのは予算だけだ。15部未満で考えている。

 

11/22

 

 堀川早苗で寝落ち。朝、湯浴み。茹で卵と蜆汁。ペペロンチーノに舞茸を入れてみたがよろしくない。森先生へ電話。前回の話、「茶器」ではなく「茶気」だった。俳句は観念的すぎるといわれ、もっと肉体的にといわれる。小林一茶を引き合いにだされる。久々にデジタルウィングへ。引きつづき画像の置き換え作業。11時過ぎから3時までやる。休憩中にネットを見る。夢沢氏よりコメントと私信。《音楽と絵に絞って活動したほうがいい》という。私信ではわたしの音楽がどこで手に入るのかと問い合わせ。残念ながらいまあるのは4年まえのデモと、6年まえのサウンドコラージュのみだ。
 大安亭でトムヤンクン風味の乾麺と卵、カットトマト、ハンバーグ、ペペロンチーノの素を買う。あと¥450しかない。帰宅してから「縁日の世界」をエレキで録音。途中から裏声でコーラスを入れたので歌い出しが沈んでしまった。それにからだに力が入ってしまい、ぎこちない歌唱になってしまった。ミックスに手間取る。けっきょくコーラスのためにトレモロをかけたボーカルトラックはくどいので没にした。
 夕餉に残ったリングイネと茹で卵、蜆汁を喰らう。トム・ウェイツの本を読む。即興で曲をつくる。

 

11/23

 

 早くに起きて朝餉。ハンバーグ、茹で卵、ペペロンチーノ。オリーブ油がもうない。土日はスープと麺麭にするしかない。出屋敷にて壁の打設。4時半まで作業。父はどうしてもわたしにシェアハウスの運営を任せたいらしいが、尼崎という文化不毛の地には我慢ならないものがある。ここには美術館も映画館もない。ジュンク堂すらない。ユウゾウ叔父にでも頼めばいいのではとおもう。帰途、ネット屋であたらしいデモを各所に投稿。夢沢氏に返事を書く。アパートに帰るも郵便物なし。残った飯を喰い、懶惰のなかで卵を茹でる。残金:¥672なり。冷凍野菜とファルファッレを買うか。
 退屈凌ぎに「シールズと居酒屋甲子園と感動ポルノ」という散文を書いた。表面をなぞったような論理で、心細い。ノートの清書も考えたが、かつてのじぶんの字を見るだけでいやになってしまった。

 

11/24

 

 堀川早苗で寝落ち。蒸し鶏のサラダに麺。頭が重い。ふたたび眠る。姉との諍いを夢に見る。気分がわるい。郵便を待つがなかなか来ない。けっきょく夕方に大安亭にいく。残り少ない金で、フリジと卵とブナシメジを買う。それからダイエードクターペッパーを呑む。地下鉄で帰り、胡麻油を買う。ちょうど郵便配達が来ていた。女である。落札したカメラ、スメナ・シンボルとサニーデイ・サービス「24時」の楽譜、森先生からの葉書、関西電力の書類が届く。さっそくサニーデイを弾いてみる。リズム感覚や譜割がむつかしい。まあ、わたしが欲しいのは未知のコード進行ぐらいだ。カメラは美品、バルブもついているし、シャッターも切れる。ただ多重露出ができるのかがわからない。スメナ・エイトよりもボディが頑丈につくられている。
 夕餉に茹で卵三つ、トムヤン・ラーメンひとつ。父からの要望で出屋敷シェアハウスの室内図と、カラーで完成イメージを描く。あとは「裏庭日記/孤独のわけまえ」の改稿に費やす。2頁増える。ただ罫線の書体変更は中途半端に終わった。はじめから手をつけるべきじゃなかったとおもう。
 スメナ・シンボル、多重露出は底のボタンを押してからシャッターを切ればいいと気づく。そうすればフィルムを巻かずに撮れる。

 

11/25

 

 ヨ・ラ・テンゴで寝落ち。茹で卵を喰って二度寝。「裏庭日記/孤独のわけまえ」の改稿。これを高校と中島氏と尾上と筑摩書房に送る。キリスト教の勧誘が来る。無神論者だといって追い返そうとする。むこうはなぜそうなったかを訊く。「ドーキンスの本がきっかけだ、まえは不可知論者だった」といった。それでもなお資料を渡そうとする。話が通じていない。だからわたしは神さまなどというやつを信じられない。このくそ寒いなか、玄関口で問答なんざご免蒙る。神がいて、尚且つ愛があればこんなことは起こり得ない。
 きょうは、なにもする気が起きない。けっきょく寝てばかり。「ゴメスの名はゴメス」を再読終える。夕方、フリジでスープをつくってみたが、量が多すぎる。ぜんぶ喰らうのに3日はかかる。それに味が薄い。チリ・パウダーとローレル、牛乳と鶏肉がいる。茹で卵を喰って寝支度。

 

 予定:ガス料金
    カポタスト
    オークション支払い  
    ポートフォリオ郵送
    森先生への手紙

 

11/26

 

 ガス料金支払い。電話の充電がうまくいかないのでAUへ。とりあえずは様子見。ネット屋へ。オークションの支払い、カポタストの発注。それからポートフォリオ月曜社へ発送。麺麭を喰っていちど帰宅。散文を修正し、入稿の準備。業務スーパーへ。シチューの素、牛乳、卵、オリーブ油を買う。それからネット屋で検索。***の指摘に従って作品の文法を直す。自著の発注は来月へと延期。1冊¥2800は高価だ。森先生への作品(俳句と散文「シールズと居酒屋甲子園と感動ポルノ」)を発送。KOYOで鶏胸肉とローレルを買う。紅茶を買うのを忘れたが地下鉄で帰る。6枚切りの麺麭を買う。スープをシチューに作り直す。茹で卵とともに喰らう。わるくない。
 カメラにフィルムを装填。スメナにはフィルムの軸に穴がない。どうやら突起に引っかける仕様らしい。ミノルタにもフィルムを入れる。これもいつのまにやらコツを忘れてしまったらしい。なんとか巻き上げを確かめる。しかし電池はそのままだ。いまだに電池確認のランプを修理していない。撮り終わったらなにも写ってなかったではどうしようもない。残り少ない金で買いにいくか。それともあとまわしにするかだ。けっきょく残高が¥900余りしかなくて断念。あした、宝塚までいけるのかが不安だ。フィルムはすべてシンボルに使ったほうがいいような気がする。

 必要なもの:ヘッドフォン
       ミディアム・ゲージ
       ハードディスクのデータ移管
       小説「裏庭日記/孤独のわけまえ」3部

 

11/27

 

 夜中に何度も眼が醒めてしまった。きのうは医者にいけなかった。そしてきょうもいけそうにない。8時から朝餉、湯浴み。荷物をまとめる。¥280で宝塚まで。けっきょく室内図も完成イメージもちゃんとやつは見なかった。家を掻き回したものの、卒業文集も高校生フォーラムの冊子もなかった。生活体験発表での3位入賞の賞状と森忠明の詩集はなぜかあった。ピアニカもあったが大きいので残した。
 近所を写真で撮りながら歩く。どうやら竹内は引っ越したらしい。かの女自身はいま伊丹にいるらしいがどうでもいい。あたらしい家が多く、あまり興味をそそられなかった。けっきょくミノルタは使わずに終わった。グリーハイツの公衆電話は撤去されていた。あそこのなかでいったいどれほどの夜をやり過ごしたことか。「真夜中ラジオ・ユアーズ」を知り、「夏の庭」を読み終えたのもあそこだった。もはやなにもない。あしたは実家で溶接作業。それにしても父は「片づけろ」とうるさいくせにまず自身のものが片づいていない。母が憐れにおもえてくるほどだ。実家のひどいありまったらない。知識はともかく感性が決定的に欠落しているのだからやめおけばいいのに。吝嗇ぶりに目が眩んで本質を見誤っている。改築ぐらいまともにやっているところはいっぱいある、ただそれがわたしの実家ではないということだ。
 帰途、診察を受け、ダイエードクターペッパーを呑んだ。帰るとカポタストが届いていた。試しにいくらか弾いてみる。

 

11/28

 

 ふたたび実家へ。溶接作業。終わって雨のなか、部材を買いにいく。かつて2日だけ働いたラーメン屋はのちにスパゲッティ屋に変わったが、もはや建物ごとなくなっていた。三田、道場をいく。帰って飯。不承不承、泊まることとなる。肉の味のしない焼き鳥を当てに米を喰う。ネットを観るも大したことはなし。零時になって寝ることになったものの、姉の室(のちの三女の室)の跡で寝ることに。残されたものの多いこと。なぜかの女らは平然とものを置いておけるのか。少なくともわたしのように勝手に棄てられることはないからだ。いろいろと工夫はしてみたものの、寒くて眠れず。とことん生野は肌に合わない土地である。室生犀星の詩は正鵠を得ているとわたしがわたし自身を使って立証できる。けっきょく夜明けに2時間ほど眠って醒めてしまった。そのまま8時に作業。鉄骨に穴開け。
 まるでシリアルキラーの棲んでいそうな家で午まで作業する。結句、父には青写真も美意識もないということだ。だから平気で無残なものを造りあげる。使いもしない室をつくり、適切な処理をしないまま朽ちるに任せるのだ。わたしが美意識過剰なのかも知れないが、あまりにひどすぎる。わたしは午にはあがるといったのだが、けっきょく出屋敷まで連れていかれる。鉄骨をつけることに。それが終わって帰ろうとするも面罵を喰らう。なんとか¥2000もらって帰る。服も汚れ、咽は痛み、ひどいていたらく。咳きながら電車にゆられる。ダイエードクターペッパーを買い、大安亭へ。卵とリングイネと鯖罐、オリーブ罐、鶏肉、ペペロンチーノの素、青紫蘇のドレッシングを買う。そのまま帰宅。ファウルのCDは届いていた。そのほかは紙屑。とりあえず髭を剃り、歯を磨く。非常に疲れた。終わってファウルを聴きながら茹で卵ふたつ。そしていまはテレヴィジョンを聴きながらこいつを打ってるというわけだ。まったくじぶんの蒔いた種とはいえ、苦しいものだ。父はいずれ出屋敷の土地をわたしに任せようとしているが、冗談じゃない。そんなたわごとは姉がすべてやればいい。いい加減、姉妹たちも汚れ仕事をするべきだ。たかが男だという理由だけでわたしが汚れつづける意味なんかない。それこそ時代に合っていない。裁判が無事に終われば、あんなおたわごとからは離脱する。そんなことをやっているほどに閑ではない。特に1月、2月は定型詩の賞のために時間がいる。もちろんいまから準備をせねばならない。わたしにはともかく時間がないのだ。とてもじゃないが父の頭脳ではひとが寄りつくような場所や建物をつくることはできない。吝嗇から出発したサンタ・マリア大聖堂のようなものでしかない。美学も糸瓜もない。わたしはもうたくさんだ、嘔き気がする。
 森先生へ電話したがでず、茹で卵を喰い終え、鶏肉を蒸す。あとはセロリを散らして青紫蘇とオリーブ油をかけるだけだ。なんとか人心地着いて来たようにおもえる。あとは熱い湯を浴びて汚れを落とすだけだ。少なくとも来週の終わりまではここにいることだ。18:43。夕餉は終わった。空腹は癒えないがきょうは薬を呑んで眠るだけだ。ギターを少し弾いてみたが左腕の具合がよろしくない。力が入らない。小説の改稿箇所をおもいつく。定時制の制度についての補強だ。三年制が導入されたのを一切書いていないから、いまのままでは不案内になってしまう。なぜ最期の年に3人だけになったのかが読者にわからない。
 西宮駅でおもいついた一首をもとにして30首ちかく詠む。薬を過剰に呑み、眠る。堀川早苗をかけながら。そういえばきのうネットでかの女のインタビューを探すも見つからなかった。東映のサイトにあったはずだが。まあ、16年もまえなら仕方がないか。

 

11/30

 

 盗みの濡れ衣で捕まる夢を見た。朝からギターでサニーデイの練習。やはり唄と同期してバッキングできない。リズム感がない。それから茹で卵ふたつを喰らって午まで眠る。セロリが傷みやすのでリングイネに加える。あとは蜆汁に燕麦を足す。ズボンが乾き次第、大安亭へいく。リングイネを2皿分喰らい、休む。ズボンはといえばもうすっかり乾いている。けっきょく森先生と電話したあとにヘルパーが来てしまい、出掛ける機会を失ってしまった。「短歌がいい」といわれるたびに不安感に落ちてしまう。わたしはいまだに古典文法を使い熟せていないし、耳痛い指摘を受けることが常態化している。「短歌文法入門」ぐらいは持っていたほうがいだろうな。俳句についてはもっとじぶんの好きな俳人を増やしたほうがいいのではとおもう。インプットが貧弱すぎる。写真のみのポートフォリオが必要におもえる。本棚にある高橋恭司の「ストレイト・フォトグラフ」というパンフレットはたぶんポートフォリオだろう。たった16頁しかないが、充分魅力を伝えている。わたしのつくったポートフォリオは多ジャンルでごちゃごちゃし過ぎる、それに予算もかかっている。ただ横長の本は「製本直送」で扱っていたかどうか。どう表紙や入稿をやるのか。すべてのフィルムをデジタルデータにしてからじっくり考えるとしよう。来年の清里に間に合えばいいだけだ。
 残りのリングイネを喰い、卵を茹でる。あしたはラーメンを買うついでに炊きだしへいくか。月曜日まで短いようで長い。18:22。来月分の歌篇をもう70首もつくってしまった。あしたから12月。さらに30首を月曜日までにつくって終わりにしよう。あとは賞のために対策を練るしかなさそうだ。残金¥213──これでラーメンとブナシメジか、麺麭を買うのみだ。蜆汁を呑み、田辺マモルを聴く。
 19:35。長篇の改稿も終わり。2頁増える。ファイルを整理。21:30、弁護士から電話。2点の事実確認のみ。堀内幹を聴く。それからふたたび長篇を改稿する。23:00。一発抜いて寝ることにした。jet johnsonの"november"を聴く。冒頭にノイズが入っている、どうしてか?
 本をいくつかひらく。森山大道の「通過者の視線」を流すが、すぐに眼を閉じる。尿道に疼きと傷み。炎症だ。なんどか便所にいっているうちに収まって眠る。実家の夢、あるいは羊の夢を見る。

 

カセット&ガゼット

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Micropolitan

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雛菊とみつばち

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And Then Nothing Turned Itself Inside-Out [輸入盤CD] (OLE3712)

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リトル・シスター (ハヤカワ・ミステリ文庫)

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通過者の視線

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kaze-bungaku

ボーカルにも演奏にも不満はあるが、とりあえずミックスして公開です。

soundcloud.com

 

kaze-bungaku / 中田満帆 - YouTube

 

「kaze-bungaku」


 悪態の果て みずからを抱き
 黙りこくって 見送った車窓
 見知らぬ背中 降り立った駅が
 遠くかのひとの おもざしを見せる

 相づちもなくさまようがままの
 溶けだしていく 輪郭はちかい
 頼りはぜんぶ 破られてしまえ
 きみらに なにもわかってたまるかと

  冬の外気 たちむかうはずも
  冬の外気 あっさりと打たれ
  首をふった、屈辱の果ての
  そこには なにも ない

 二月のかぜの文学はいつも
 過ぎ去ってったひとみたく淡く
 二月のかぜの文学はいずれ
 孤立のなかの手のひらに溶ける

 鴎が飛んだ 質問の一羽
 回答もせずに見送っただけさ
 右へ左へと飛ばされるたびに
 ぶ厚いかぜの壁を蹴りあげる

  アベローネ もはや、きみことを
  アベローネ ぼくは書きはしない
  手をふった、むこうにはだれも
  むこうには だれも ない

 

マルテの手記 (岩波文庫)

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