みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

仮面ライダーBlack Sunと悪についての考察(23/03加筆)


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 安倍元首相の狙撃が起きてから、『仮面ライダーBLACK SUN』が配信された。監督は白石和彌。わたしはかれの作品を『凶悪』しか観ていない。たまたま題材との相性がよかったのか、原作がよかったのか、なかなかの作品におもえた。いっぽう、足立正生は『REVOLUTION+1』という題名で狙撃事件を映画化した。──未見。──両者とも若松武門下の人間だ。どちらも安倍をモチーフにした人物が殺害される。
 この作品について、もはや重箱の隅を突くようなマネはしたくないから、総論として書く。そういった些細なところを論じたいひとは5chを見ればいい。このドラマにはあまりに悪が氾濫している、というよりも悪しか描かれない。ほんとうなら正義を描くための特撮ヒーローが、正義もヒーローも描かずに、悪とスカムのような人間たちしか描写できず、多くのパートでは現実世界の政治や社会問題が稚拙な写し絵のごとく描かれるのみだ。

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