みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

第4詩集「"Sideorder"」販売開始

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 ここに収められた詩は、’20年の11月から’21年の12月にかけて書かれたものである。アンリ・ミショーの「ぼろ屑」や「怠惰」を読んで、わたしのなかに散文詩への試みが芽生えた。だからこの詩集は、最後の2篇を除いて、すべて散文詩という形式を採っている。今回、収録しなかった行分け詩は、いずれチャップ・ブックというかたちで出版するつもりでいる。
 この詩集は詩人・田中修子氏に捧げることにした。かの女はわたしの最大級の庇護者のひとりであり、わたしの才能──そんなものがあるとして──とやらを買ってくれたひとりだった。かの女の手紙や、声、わたしに言及したTweetがどれだけ励みになったことか。ところが、かの女の誕生日にメッセージを送ってからしばらく、かの女は亡くなってしまった。そのショックが最後の2篇には現れている。図らずも、この本がかの女への追悼詩集になってしまった。
 わたしは寂しくおもう。けれどもいずれ、この感情も消えてしまうだろうから、いまのうち、かたちとして残すことにした。どうか、これを読んだひとにも、かの女の存在に気づいて欲しいとおもっている。ただ、てめえ勝手な所業にひとを巻き込むのは、いささかうしろめたく感じている。どうか、赦して欲しい。

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