みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

korekala-dohshiyoh?

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 これからどうしよう? このところずっと、いいや去年の終わりからずっと散文詩を書いてる。行分けの自由詩というものが書けなくなった。これはたぶん、おれが演技をできなくなったということだろう。行分け詩は演技を要求する。本来、詩とはほど遠い文章ですら、頑迷に詩と呼ばせてしまう歪な力学がそこにはある。それがおれはたまらなく厭になってしまっていた。
 この冬、散文詩だけをまとめて詩集をだすつもりでいる。4作めの詩集。全篇横書き。じぶんのなかでそろそろ、散文詩にもケリをつけたくなったし、詩そのものにもケリをつけたくなったからだ。題名は「sideorder」。fOULの曲から採った。気怠い秋の陽のなかで、思考するのも物憂いのだが、なんとかモノにしたい。正直、売れないのはわかってる。おれがだめなのはおなじネット詩人の本を買わないからだ。人間性はいいが、作品がよくないという詩人が多すぎる。いけ好かない、近寄りがたい人間のほうがいい作品を書いてるという場合のほうが多い気がする。来月、岡部淳太郎の詩集を買おうとおもってる。かれもまた近寄りがたい人間だからだ。

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 早川義夫の「ラブ・ゼネレーション」を読んだ。口当たりのいい散文とはいえなかった。理屈臭くおもえたからだ。直感でなにかも済ましてしまうおれにはちとつらいものがあった。かれは文中でよくひとを貶すのだが、それが差して論理化されず、嫌悪のレベルにとどまっているようなのが不満だった。たとえばカルメン・マキについての記述。

 ところでカルメン・マキは、舞台で満足したことが一度もないという口ぶりをあいかわらずしている。それならさっさと芸名を捨て舞台に立たねばいいのに、いったい苦しいとか不満であるとかをわざわざ言い出すのは何だろう。それは、うぬぼれ、思い上がりでしかない。スター気取りしていないとか、マスコミ嫌いというのもいまさら武器にはなるまい。彼女がもし、一度でもいいから満足する舞台を作りたいと思うなら、歌の合間に言う、数々のきどった、いいわけがましいセリフを早く捨て、またはそれを歌にし、自分は本当に歌いたいことがあるのかを、問いたださねばならないだろう。

 なんといえばいいのか、生理的な齟齬をそのまま嘔きだされたみたいで、おれ自身の内奥の響きも、嫌悪レベルのそれになってしまった。半世紀前の文章に、いちいち目くじらを立てるのはみっともない。しかし、おれにとっていま、未来が存在しないように過去もまた存在しないような感覚で、じぶんを対象化・相対化してくれる現実にまったく触れていないから、早川義夫の言葉が生々しく感じられる。けっきょく浮遊したまま固定されてるような状態で、おれは生きている。

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 来月からギターを習うことにした。なにしろ、指弾きで歌えないからだ。じぶんのつくった曲くらい、ちゃんと再現したいし、これから生まれるだろう歌の可能性も拡げたい。べつに歌に拘る必要はない。歌のない音楽が起点であるし、歌ものに手をつけたのはほんの7年まえからだ。ほかはずっと打ち込みや、サウンドアートをやってきた。でも、1枚ぐらいアルバムをだしたいとおもっている。その1枚のためにオーディションや事務所探しもしたいし、セルフ・プロデュースできる能力を手に入れたい。たった1枚、名盤をつくりたいのだ。
 それにしてもこの7年のあいだ、いったいなにをしていたんだろう。いまの思考にたどり着くまでなぜこんなにもかかってしまったのか。それは精神的錯乱とアルコールだった。頭が冷めるまでに、怖ろしいほどの時間がかかってしまった。じぶんでもじぶんに申し訳ない。もっと早く、目醒めていれば今ごろは目的を果たしていたかも知れない。しかし、人生は一回性の舞台に過ぎず、出遭いや発想は出会うべきときに出会うことしかできないのだ。──そう考えてじぶんを冷静にするしかない。'14年みたいに歌をいくつもつくることはできない。あの年は初恋のひとにきらわれ、悩みきった1年だった。その悩みが曲を産んだが、それが醒めてしまったいま、おなじ熱量を持って歌をつくることはできない。ともかく、これから40までにレコードをだすつもりで、挑むしかない。

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 金がないとなにもやる気がしない。きょうのような日は耐えがたい。まだ書く内容があるということが幸いだ。ところで、某ブログのひとは「欲しいものリスト」を公開して、よくもらいものしている。特に酒は羨ましい。実名のおれがそんなことするのは乞食に等しいのだが、以下に載せておくので、右や左の旦那さま、おれにウォッカを送ってくれ、この貧しい歌人に。

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