みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

無題


 
  *

 猫は哲学だ レモンパイはそうじゃない 軽度の融解によって皮膚が街に変わったせいで、教育を知らない第一級河川が氾濫するのは死原語の触媒だからだ 蒸発したあらゆる前歴が 藤原定家とおまんこする 気持ちいいってだれの科白? 文字が反転するカフェで呑むコーヒーみたいな朝が、

  *

 廃屋には花が咲いてる 熾きを失った虚空からの信号があるとき途絶えてしまったからか 花の色はない 輪郭だけが存在するという寓意 たまさかの、さかまきの標 おもったよりも滑りやすい道でブードゥー教の教えを反芻する牛が突然に現れて自動車ごと世界を驟雨してった

  *

 天井に認識された性表現が詩学とのラグビーで点をとられている真昼は、法医学の1頁だった 先祖にラブを告げるため、星の運動を図式にする墓 甘い実を失い、それでもなお立ちあがろうとするひとに味噌ラーメンと罵倒して、長い雨のむこうがわまで染みる春の声とは

  *

 馬刺しは走ることをやめました 5月の雨のなかで海豚がそういって笑い、独語の教師を飼い慣らし、ひねもす愛撫する 警告と発展のなかを街がはじまってしまうのはたぶん、男が女になれなから 綾波と呼んで だれがふり返るのかを験したい だれでもないことの速度を測るのはなぜ?

  *