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ひざかりの天使たちかな唇を咬んでいまこそおわり来りぬ
神隠しカミの櫓の梯子すら見喪ってる大人の悲鳴
まどろみの昼顔ひとつうらめしや少年暗黒合唱団来ぬ
戯けなどにまみれて暮らす裏町に置き去られたるハンバーグあり
詩がいまだ詩であることの証しすらなきままに存る夜の詩集よ
靴下を繕うひとり夜なべてすべてのことの可笑しさに泣く
踏む土地のコールド・ケース積まれては火掻き棒にてすべてを崩す
蜂鳥の声また声が過ぎるまで竈にマッチを入れずにいたり
舞踏するレゲエのなかを紛れしむ恋人たちの土曜の罪よ
銀色にふるえる羽根よかつてまだ人間たりしとき懐かしむ
かの土地を過ぐる列車よ反語にて解き明かさるるわれの出生
小蠅来てわれを苛む桃色の雨後の雲さえ窓に暮れゆく
銀嶺よあなたはなにを憎むのか山脈光る13秒ゆく
一服の大麻求めて夜あるく愛も笑いもなくした路上
黄身色の光りのなかで秋ひらくたとえばきみが髪を解くとき
天窓の少女展開せる夜半透視図法に挫けるわれは
腐れたる果肉の一夜浮浪児の舌を慰む桃の蜜かな
舞踏する処女のおもざし昏くなる一情景のタンゴの舞台
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