みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

 

 地面のなかに
 浅く
 埋もれて
 光りが
 見えるように
 なるまで

 ゆっくりと彫琢される雪
 あるいは祈祷書
 だれが掴む?

 なにも見えないところで
 そっとひとりでにひらいた扉が
 いまだに清められないまま、
 窓のなかに立ってる

 ひとであったものの漣痕がずっと、
 ずっとつづく路上で、
 旅立とうとしてる

 どうして、
 きみがここにいないんだろう
 汲みだされた現実のなかで
 いまにもくずれそうな肉体のなかに
 綴じられてしまったことを呪い、
 また祝うことの羞じらい

 失った科白、
 握りしめた土のなかで、
 いま芽吹こうとするなにか
 
 地面のなかに
 浅く
 埋もれて
 光りが
 見えるように
 なるまで
 ぼくは待ってる