みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

青い種子は太陽のなかにある──ジュリアン・ソレル

f:id:mitzho84:20200118115603j:plain



 ほとんど同時に何件もの求人に応募して蛸足状態だった。おとついになって家電量販店での仕事が決まったものの、週払いは原則やってないという。はじめの1ヶ月のみ、申請ができるが、その手順がややこしい。日曜日、月曜日と勤務はするものの、ほかの案件に手をだしてしまった。火曜日に面接。ポートアイランドの仕事だ。交通費はかかっても、ちゃんと週払いならやっていける。──そう考えてみるが、どうしたものか。とりあえずは最初の給与をもらうまで働くか。という所感だ。まあ、うまくはいかないだろう。じぶんが信用できない。それでもいまのままでじゃどうしようもない。やれることをぜんぶやってしまうことで、なんとか休神を遂げようとする。
 
 とにかくだれかと話がしたい。会ってのんびりやりたいものだ。おれは淋しい。けっきょくのところ、いくら作品らしいものを書こうが、だれとも出会えない。そのことに苛立ちと焦りを憶えてる。孤立しきった状態でものを綴るのはむつかしい。福田恆存がいうように「孤独者は集団への復帰を望まずにはいられない」のだ。いままで集団に帰属したこともないのに、そんな文言が浮かぶ。おれは浮き草だ。あらゆる過古が四六時中、おれを責め立てる。なぜ? なにもやっていなかったことを曝くのだ。作品は売れない、エージェントの眼にも留まらない、そしてnoteはサポートなしと来る。本気でおれの相手をするやつなんかいやしないという事実。だれも金を払わないという事実。その事実がよりいっそうおれを悩ます。

 生活苦はいつもあたらしい。馴れてしまうということがない。苦痛は新鮮だ。「ここからなにかが始まる」という予感すらない。ただただ日銭を喰うだけだ。あと2週間で今月は終わる。だのになんの希望も持てない。おれのことを語るやつもいないし、寄付を寄越すやつだってない。おれは終わりかけてる。じぶんでもそれがよくわかってる。けれども、それだけだ。それ以上のなにかは訪れない。昔好きだった女たちに懐いを馳せるだけだ。たとえば画面のむこうの女たち。

  岡本綾
  石堂夏央 
  広末涼子
  遠藤久美子
  三輪明日美
  大谷みつほ
  川島和津実
  沢田舞香
  いのうえ梨花
  葵みのり
 
 すべては迷妄のなかで去ってった。おれにできるのはその迷妄を詩に託すことだけだ。それでも詩は剥奪されるべきものだ。シオランヴァレリーにやったように。詩人から詩を奪うこと、できるのはそれだけだ。けれども、かつての投稿サイトも、もはや生彩を欠いたなにかでしかない。みな、まともな文章が書けない。そのじぶんを詩に仮託してるだけだ。なんともやるせない。またしても低級アルコールに溺れておれは書く。書くことだけがおれの取り柄だからだ。ほかにはなにも知らない、なにもできない。かつてローソンで一夜、スポット勤務に入ったことがある。ちびやろうに「おまえ、使えねえな」といわれて、おれは店を見棄てた。帰ったことがあった。まったくそれとおなじことを繰り返してる。じぶんに不相応な場所に出会すと、すぐに逃げてしまうんだ。
 あしたの仕事が憂鬱でならない。ぜんぶ滅んでしまえと呪う。だが呪いに意味はない。けっきょくは給料がでるまで働くだろう。でたら、おさらばだ。

 今年の賞レースのために小説を考えてる。犯罪ものだ。そして孤立主義から抜けだして、複数の詩書きと手を結ぶだろう。なにがどうしたのか、わからない。ただ孤立を正したいだけだ。おれだってもはや、ここにいたくない。あたらしい正規の、障碍者雇用の仕事で、恋をしたい。もう35だ。それでかの女もいやしないのはいやだ。このまま朽ちていくにせよ、連れあいが欲しい。もはや過古をつれて空想をめぐらすのは、語るのは、厭きた。実在するきみと話がしたいんだ。だからおれは次の場所へむかう。それがたとえ煉獄であろうとも、だ。