*
すべての訓示をやぶり棄てたときから、
そうしてふたたび滝のおとが失せた
あまりにねぐるしい、
にんげんの家で
だれもが耳を
欹てる
たったひとりぼくは廚で麺麭を焼いてる
だれかが庭で黄葉を踏む
たしかに滝は枯れてしまったんだ。
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斑鳩の空にいまだ、
たどり着いてないというのに
もうきみは眠くなって、
ぼくにだだをいう
それでも、
決してはなれないでいる
それはやさしさのためでなく、
最愛を滅ぼすため、
見なよ、
柘榴の木が燃えてる。
*
鶺鴒の森は焼かれ、
打たれるがまま、
欲しいままにされて、
うつくしく濁る、
水よ、
水よ、
石の柩にきみは跨がって、
黄金水を放てばいい
報いをくれてやれ、
塔の主に、
城の主たちに、
かれらは遁れ、けものがれ、
われらは両目をつりあげて、
やがて狐となりました。
*
きらきら、
光りがまぶしいね
きらきら、
光りがきれいだね
きらきら、
みんなと一緒だから怖くないって、
きらきら、
ないにも見えない、もう聞えない
きらきら、
きみはもういない
きらきら、
斑鳩の果て、
雲路に、
毒が、
混ざっております、
あれが鰯雲です。