みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

mind out

f:id:mitzho84:20190715150730j:plain

 

 おもいはさかる、
 きみのことが好きで
 いつか会えるとぼくはおもってた
 でもそれはまちがいで、
 ぼくはみずからの熾きを消す
 じぶんのなかで永遠みたいにつづく、
 過ぎ去ったものへの恋着や、
 マイナー性やなんかに甚だ厭気が差したんだ
 休日の静かな路次、
 足を痛めて、
 遠くまでいけないとき、
 身もだえることもなく、
 ぼくは坐ってる
 やがて沈黙のまわりを巡回する警備員たちが、
 ぼくを発見してくれることを願いながら
 なにが愉しいのだろう
 なにが淋しいのだろう
 いったいなにが欲しいのだろう
 虚名にうなされ、
 事実を見失ったかげたちがいま、それぞれの立ち場で、その身の切なさを磨いでる
 いったいなにができたというのだろう

 おもいはさかる、 
 まちがったところで
 ぼくはきみのことを懐いだす
 投げたボールがいつも返って来ないむなしさの澱で、
 ぼくはみずからの熾きにすがる
 自身のなかで延々と疾走しつづける、
 迷いや欲望に喘ぎながら、
 この地下生活に甚だ厭気が差す
 休日の通り
 だれもいない町
 足を痛めて
 なにもできないんだ
 やがて身もだえるような懈さに
 ぼくはすっかり負けてしまうんだ
 なにが思慕だ
 なにが憬れだ
 きみのステップがぼくのなかで踵を打つ
 ぼくのステップはきみにはとどかない
 いったいなにが欲しいのだろう
 虚名に曝かれ、
 物語を見失ったかげたちがいま、それぞれの地獄で、その身の醜さに耐えてる
 いったいなにができるというのだろう
 はらからよ、
 おなじように地下のなか、無名のままで、その表現とともに忘れられ、
 かえりみられることもないひとよ
 気をつけて