みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

みな殺しの歌

 

   *  


 おいで おいで 呼ぶたびに消ゆるもの 来るものを拒まず


 ウォーホルの原色 死を孕む街のうらがわの果実なりき


 葡萄食む子供の眸潤むなりわれは孤立を少し癒すか


 荼毘に付すわが青春の一切をたとえ赦すものあれど


 吹きよどむかぜのむこうに一輪の町が咲いている夜半


 水中花もやがて腐れるゆらめきのなかに消えゆくみずみずしさは


 河に泣く山鳥一羽 われは伝説と呼びたくおもう


 紫陽花の暗く咲く日よ雨がまだ道を歩いてゆく四時半


 郷隠れするもみよりはとうになく騙されながら峠を降りる


 棄てる父母おらず鰥夫の日が暮れるからっぽの鯖缶


 死はいずこ 濡れ縁側に残された花一輪と鋏のかげ


 みどりなすひとの世のせつな枯れてゆく仏壇問屋の一群ありぬ


 サフランの因果ばかりか摘みびとのたったひとりがきょうも消えぬる


 湖水枯れだれも黙して語らずをいまこそ撃てり みな殺しの歌


   *

 

暗黒祭りの準備

   *


 ことばなき骸の帰還御旗ふる男の腕がわずかに震るる


 もしやまだ花が咲いては切られゆくこの悔しみになまえを与う


 水温む五月のみどり手配師がわれを慰む花もどきかな


 真夜中の歯痛のなかで懐いだす星の彼方のささやきなどを


 呼び声のなきままひとり残されて葱を切るのみ黄昏のビギン


 アカシアの雨が洗って去ってゆく不在のなかの花々たちを


 霊媒もあらずや燕 亡き父の骨壺ひとつふと見失う


 夫にも父にもなれず雨季を待つひと恋うるときも過ぎて


 アル中の真昼の頭蓋涸れてゆく預金残高はなし


 この夜のほとりに立ってかりそめのぼくが鳥となって飛ぶころ


 陽ざかりの産着がゆれるベランダを見あぐる 偶然の失意


 愛を 愛を ただ代えがたいものが欲し 月の象形


 ものがみな荒野の譬え 亡霊の数え歌のみわれに聞ゆ


 姿なき星の戦慄 臨終のひとのまぶちに落ちろ 落ちろ


 転生の寂しき初夏よかげの濃い子供のひとり丘へ駈け入る


 教会の裏手でひとり酒を呑む正午の鐘のゆすぶるなかで


 しりとりの鳥の一羽を逃したる直角の空を睨むひとかな

 
 土地の神燃ゆる週末ぼくたちが犯した罪に裁きがなくて


 涜神を独身といい換えて去りし中年の肉欲むなしく涸れる


 夏至近き汎神論のたそがれが眠るわが身をふるわす三時


 だれかだれか神学のかげりを教え給えフリーウェイの男


 胸厚き青年われを超越す もはや肉体のみに淫することもなく


 夢がまだ仮説に過ぎぬ夜を見たなんだか熱いぼくのふくらはぎ

 
 海岸をうしろむきに牛歩むやがて来る屠殺へのむなしき抗い


 手に掴む麦の秋かなぬばたまの村の暗黒祭りの準備
 

   *

 

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大人になんかわかってたまるものか [Apr. /’22]

04/01

 酒で大枚をはたいた。ずっとスプリットを呑んでた。まったくフルボトルの酒を買えば安く済むのに、わざわざコンビニで小壜を買うものだから、金が激烈に減ってしまった。

04/02

 公共料金を払った。ギターナビの料金も払った。あきらかに金の使いすぎだ。あと¥25000しかない。呑み助の運命。

04/03

 記憶がない。

04/04

 金が降ろせなくなった。銀行に電話したものの、時間切れだった。もしかしたら北区までいかんくてはならないかも知れない。夜、ギターケースをごみに出した。

04/05

 早くも¥23000しかない。満足に計算ができてない。酒を呑むんじゃなかった。ガットギターの修理代、カネコアヤノのライブ代の電車賃、グッズ代。電話のチャージ代、食費。なんとも痛ましい。本を2冊買ったが満足に読む気分にもなれない。「松田優作と七人の作家──探偵物語をめぐるミステリ」、「ハイティーン詩集」。銀行にいったものの、暗証番号をしつこくまちがえてロックがかかってるといわれた。カードも使えない。あたらしくつくることになった。

04/06

 体調を崩してしまった。今度こそ酒を辞めるつもりで薬を処方してもらった。シアナマイドを嚥む。眠る以外のことができない。余分に薬を嚥む。

04/07

 疲れ切って早めに床に就いた。21時だ。それでも23時には目醒めた。侵入者がおれを刃物で襲う夢だった。ふたたび眠る。またおなじような夢だった。そのあとは知らない町の小さな室に閉じ込められる夢だった。犯人は荒川良々に似てた。おれは知らない町で犯人を捕まえる。しかし警察には引き渡せないといわれる。おれはやつの服を着て、神戸に帰ろうとする。いったい、どこの町にいるのかもわからない。途中、ようやく警官に出会す。かれが随行する。おれはいつのまにか車に乗ってる。女が運転する。おれも運転する。「無免許だ」というと警官は見逃すといった。やがて画面がアニメーションになり、途中で目が醒めた。
 7時半に起きる。朝餉。癌検診について調べる。近場のウェルネスクリニックがやってるらしい。作品を加筆しようとしたが、目醒めのときにおもいついた歌はもう憶えてなかった。一首だけつくって以前の歌篇とともに編輯する。10時過ぎて外出。業務スーパーへ。いよいよ金が¥10,000を割ってしまった。それから印刷屋へ。店長が変わってた。店の仕様もちがう。横のシャッターが降りてたから、一瞬店じまいかとおもってしまった。印刷が終わって、富士商会へ、封筒を買う。そして役所へ。収入申告。郵便局へ。テープカッターで指を切ってしまった。どうしようもなく、テープで止血した。¥210也。本屋を歩く。メイ・サートンの日記を見る。こういうふうに日記が書ければいいとおもう。
 帰って面接の予定があったことを知るも、キャンセルする。押川剛原作の漫画を読み、しばらく考えに耽る。おれはもはや肉親にとって「いない存在」なのだと思い至る。おれもかれらかの女らについて、そうおもうべきなのだろうか。答えのない話を考えても仕方がないが。短歌を少し詠んでみた。いつものように人生に失望しながら、ソフトドリンクを数本飲んだ。島村楽器から電話。見積もりで¥22,000するといわれた。ペグの割れで値段が高くなった、ナットの幅もだ。とにかく金がかかって、これではまともに生活もできやしない。困った。来月も金欠決定だ。21時になって薬を嚥む。湯浴みして床に就いた。海外の美術学校に留学する夢を観た。先輩にはなかやまきんに君がいる。おれは才能を認められる。一軒の下宿先を宛がわれる。そこでは犬たちが雨のなかで身を寄せ合ってる。家主が留守のあいだに入居してるやつらが閉めだしてるとのいこと。
 23時に目醒める。パンを買って喰う。小銭入れを忘れる。しばらくして取りにいった。また短歌をつくる。少ししてまた眠くなった。床に就く。

04/09

 夢のなかで、おれは音楽を聴く。明け方になって父が起きて来る。おれは眠ったふりをする。「ラムをふた切れも喰って・・・ ・・・」とか、「おれの次男三男は・・・ ・・・」とか声がする。おれはラジオを途中で止めたままだが、父が電源を切ろうとするのを起きてとめる。しばらくして母が来る。父はと訊くと、もう出かけたという。場面変わって、おれは本を読んでる。三女に問いかける。軽いインタビューだ。「すると、ひとりの人間のなかに悪と善の両方があるってことじゃないのか」というと、かの女は口ごもって、それきり話さなかった。それからおれはnoteで同じ姓の女性がひどく批判されてるのを見る。かの女の発言にfavを入れる。かの女から電話。お互いに「よろしくお願いします」という。かの女は60代で、おれの短歌を評価してる。次は母の語りに耳を傾ける。死産した妹がいたという。裸のかの女を医者はえらく叩き、いたたまれなくなって帰ったという。いつの話かは聞き出せなかった。テレビではNHKで特撮番組の解説をやってた。過去の放送のアーカイブだ。やがて三女が恋人を連れて帰って来た。テレビに映ってるものを説明してる。途中で目が醒めて、7時40分。
 相変わらず、おれは家というものを恐れてる。かれらかの女らはみな自己分析も、語ることも知らない。できない。だからこそ、おれは異端であり、「存在しないもの」として生きなければならない。かれらにとっては阿吽の呼吸で済むことばかりだ。しかし、おれは理解されないからこそ語る必要がある。それが不幸の始めだ。
 午后になって「ハイティーン詩集」読了。見るべき詩はほとんどない。「松田優作と七人の作家たち」も必要な部分は読んだ。短歌はいくつかおもいついた詩句はあったはずも、いつものように書くときには忘れてる。またしてもシアナマイドの効果のもと、酒を呑んでしまった。顔が消防車みたいに真っ赤だ。そして苦しい。呑み乾したら、眠剤を嚥んで眠る。小説が書きたくなったが、それも無理だろう。花島氏に返信。メールの校閲機能が少し邪魔に感じる。ヘミングウェイの「兵士の故郷」を流し読む。これこそが理想だ。
 薬を嚥んで横になった。少し泣いた。でもけっきょく満足には眠れなくて、17時30分には起きた。また酒を買った。鮭も買った。夕餉をつくって喰う。金の無駄遣い。ツイキャス、時間の浪費。酒を呑みながらやった。気づくと、23時。またも眠る時間だ。肉を焼いて喰った。そして最期の酒に手をつけた。

04/11

 2時過ぎに眠る。8時に起きる。朝餉の支度だけしてまた眠る。9時過ぎに起きる。朝餉を喰う。

04/12

 午、森先生から電話。短歌の感想。激賞される。ダイエーでマヨネーズを買う。昼餉。ギター講座、受講。音声のセッティングがなかなかうまくいかなかった。酔ったまま受ける。夕方になって先生に電話。長々と話してしまう。

04/13

 朝餉。朝寝。なにをやらかしてたのか、憶えてない。あいかわらずに酒だ。あとはAmazonであたらしい別の、動画サービスに加入。アニメを観る。酒に酔って、眠ってた。

04/14
 
 四女がギターを始める夢だった。かの女はeastern youthの「夏の日の午後」をやろうとしてた。9時53分に起きる。ひどい目醒めだった。どうにもきのうから暑い。湯浴みをしてたら電話。支援センターの人間から苦情だった。おれがヘルパーをなんどもキャンセルしたとかで、でも憶えがないと来やがった。しかたなく、ヘルパーはなしにした。とてもじゃないが、この酒酔い頭でかれらに会うのは無理があったからだ。謝ってことを済ました。きょうは森先生の「悪友ものがたり」に手をつけて68ページまで読んだ。あとは酒。先生からの入金を期待したが、だめだった。暑くて眠ってられないから、起きて冷房をつけた。また童話にチャレンジしたいが、おれのような男が子供の目線に帰って語るというのは困難だった。1日ずっと同級生の女たちのことを考えつづけた。つまりは寂しかった。神は──いたとして、おれに悪意がある。ひとりぼっちの生活と人生で、心が砕けそうだ。19時をまわって驟雨。ひさしぶりに手淫。左胸が痛む。心臓に異常があるのか。早死にするかも知れないが、それはべつにいい。ただ半端なとこで死ぬのはキツい。癌検診に¥150000、とても払えない。ギターのリペアに¥22,500もする。なにかと追いつめられてる。心理的も物質的にもひどい有様だ。軽い頭痛がする。ションベンすると、尿道が沁みる。なんとも情けない気分。おれは語りつづける、頭のなかへ。絵空事ばっかりだ。あしたは泌尿器科にでもいくしかない。

04/15

 手淫して終わり。きょうは眠ることにした。0時20分。なかなか眠れなかった。体中が痒い、皮膚が痛む。寝汗がひどい。夢を観た。集団でバスに乗って骨董市にでかける夢。気づくと倒れてて、そのまま目醒めた。まだ3時10分だった。ボロボロになった蒲団を裏がえした。どうにもこの蒲団のせいで具合がわるいような気がしたからだ。綿の繊維がからだを痛めてるのかも知れない。寝るまえにおもいついた短歌を書き残す。詩も2篇つくる。この日記を書く。夜食に鶏を喰ったが、味つけがわるかった。耳の具合が悪化してる。胸が痛む。いちど、ちゃんとした検診を受けたいが可能か否か。
 朝まで起きてた。また左耳の難聴がぶり返してしまった。少し眠ってから、耳鼻科へ。横に坐った若い女が、ほかの席が空いたとたんに移ってった。おもわず、ショックを受けてしまう。女たちはおれをきらう。受診する。終わって大量の処方薬。両手にして帰る。郵便があったものの、またも電気料金分割の予告。メールを見る。詩集が2冊売れた。¥4,800也、そのうち、収入になるのは¥2,400ぐらいだろうか。森先生からの手紙はとどかなかった。金がねえ。胸がやはり痛む。性的衝動が強すぎる。16時ちかくになって外出。幸地クリニックへ。頭のなかでつねに喋りながら歩く。けっきょく薬は1週間分に減らされてしまった。帰って薬局に寄ってから室へ。湯浴みをした。おれはまちがったことした。ユカコと物別れに終わったことはいいとして、周囲に敵意や悪意をばら撒いて、じぶんを孤立化させるべきではなかった。明らかに悪手を打ってしまった。それがなければ友人関係は保つことができたのに。まちがいに気づくときはいつも遅すぎる。
 メールを見る。詩集が発送されたとのこと。あまりに早すぎる。考えてみれば来月半ばまでラミネート加工は中止だった。出来損ないの本を売ってしまった。いっぽう新しい詩はウケなかった。夕餉、燕麦を喰う。9時まえには耳がつらくなって音楽をとめた。Oに手紙を書こうとしたが、くどくどしい文章しか浮かばずにやめた。とにかく耳を休めよう。横になったものの眠れず、薬を追加した。

04/16

 おれは高校にいる。若い、年下の女教師に出会す。かの女となにごとかを話す。初めはうまくいかなかったが、なかなか会話がうまくいくようになった。ところがかの女は急に冷めた態度。おれは白石や長安と猥談をする。かの女はサンバイザーにピンク色のテニスウエアのようなものを着てる。急におれに迫って来る。おれを愛しくおもってる。おれは白石にいわれておれのスケッチブックを見せる。そしておれがつくった格闘系エロゲを途中まで上映する。かの女はおれに裸でうしろから抱きついて来る。おれは感動して、「おれにもようやく春が来た!」とおもう。「鼻の下を伸ばしてる」と白石。エロゲを見られて恥ずかしいなかで、かの女の身体が温かい。
 起きてしまった。ひさしぶりにいい夢を観た。10時まえ。放尿。朝餉。耳はまだわるい。薬を嚥む。朝寝。13時50分まで寝る。今度はいい夢じゃなかった。また肉親の登場する夢。うんざりする。またしてもじぶんの空間を侵される夢だ。PCはまたしても突然の再起動。書いてる途中のものはなかったからよかったが、なにか失ってたらとおもうと怖い。またドスパラに持ち込むしかないが、来月は金がない。夕方、17時まで眠る。夕餉を喰った。22時に配信。三浦氏、5月か、夏に神戸に来るとのこと。時間切れで話が途切れてしまったから電話で補完。詩はまたもウケなかった。眠れるかが不安なので真夜中まで起きることにした。

04/17

 1時30分に床に就く。以前見た夢を見る。9時25分に起きる。朝餉。小説を書きたいという欲求に駈られたものの、なにも書けずに昼餉。最期の鯖缶はまだ残しておく。あした、金が届かなかったら森先生に電話する。事情をいって速達で送ってもらう。夕方、「マスターキートン」を観ながら掃除。試しに漂白液を希釈して床や壁の黒黴を落としてみる。床はたやすいが、壁は不完全なままで終わった。夕餉。喰っても空腹が癒えない。固形物をほとんど摂ってないからだ。詩を1篇書く。最近はカーヴァーを意識してる。
 父についておもう。やろうはおれを否定するためなら、どんなことでもいい、どんなことでもやる野卑な男だ。高校生フォーラムの作文に悪罵を放ち、卒業式の服装に怒り、おれの書いたものに怒る。矛盾の塊りで、それを恥じようともしない。だからどうしたって? おれはいまでも好きなように書いて、それを公にする自由がある。それで充分だ。どうしたものか、好ましいやつらよりも、そうでない、最悪なやつらにばかり焦点を当ててしまう。くそどもに、これ以上くそを喰わされるのはごめんだ。もっと好ましいものにヴィジョンを啓こう。くそのなかのくそに埋もれるわけにはいかない。23時に湯浴み。

04/18

 1時に床に就く。夢、夫による妻殺しの事件、託児所あたりを歩く。夜だ。いやなニュースは聞きたくない。女の代議士と論争になる。マニフェストを書かされる。国防について書こうと足掻く。場面転換。列車のなかにいる。高校生の長澤まさみが駈け込んで来る、なにごとかあったようだが、制服姿のかの女があまりにも艶めかしくて、気取られないようにそっぽを向く。洗面台で顔を洗う。列車が止まって降りる。駅ではない。線路の上にひとが固まってる。だれかが線路を渡れと叫ぶ。おれは渡ろうとする、列車が迫る。寸でのところで横断した。駅。事故のアナウンス。おれは手に鶏肉の袋を持ってる。それをあけて肉を口にする、塩味が効いてる。さらに便所へいって、その脇で袋のなかの水分を棄てようとする。──6時40分に起きる。朝餉。もっと眠っていたかった。虚脱してる。けっきょく朝寝する。郵便を見ると、森先生からの手紙。¥5,000入ってる。僥倖。昼餉を済ましてでかける。上沢へ。短歌をつくるも、「名前をつけて保存」でフリーズ。けっきょくスクリーン・プリントしたものの、半数を失う。三宮で降りて食材買いだめ。まずはOASISジンジャーエールを、KOYHOでヒラマサと醤油と山葵を、業務スーパーで、ブナシメジとパスタソースと缶詰と餃子を、ダイエーで舞茸とキャベツとミートソースを、そしてニッカを買った。残金でウォッカを買った。さらにその残金で映画を観る。森先生に電話。「くれないまんこ」の歌について苦言。金は好きに使っていいといわれる。なんという僥倖。刺身を喰って、酒を呑む。三浦氏と打ち合わせ。さらに酒を買った。映画は「チタン」にしようとおもった。さらに酒を買った。それでやめることにした。あしたは支援センターの担当者が来るし、ギターレッスンもある。しかしシェービング・ジェルが足りない。どうしたものか。
 母についておもう。あの女は男のなかで育って、男に飽き飽きしてたんだ。だから杜撰におれを育てた。父の暴力を赦しても、おれの暴力は赦さなかった。じぶんたちに矛先がいかなければおれが殺されたってよかったんだ。かつて「買われた私たち」という展示があったそうだが、かの女たちはだれかにつよく受容され、赦されたかったんだとおもう。おれもそうだった。しかし、その可能性が失せたいま、じぶんの表現のなかで屹立するしかないと悟るだけだ。ケムリについておもう。やつはてめえが下手くそなものしか書けないのに上からものをいってた。そしておれの書いたものだけ、作品ではなく、作文と呼んだ。やつは身の丈にあったことができなかった。だから驕ってたし、実業家気取りで失敗したりするんだ。だいたい、大学教育で詩に興味を持ったという男を信じられるわけがない。ほんとうの詩人は精通まえに目醒めてるものだ。
 歌誌のために原稿依頼をする。三浦氏とも話をした。帛門氏をメインにといった。

04/19

 0時過ぎて床に就く。6時半、起きる。朝餉。投薬。朝寝。11時40分、電話で起こされる。でてみれば祖父だった。やや驚きながら話に応じるも、通話は2分ほどで切られてしまった。もっと話がしたかった。齢のわりにしっかりした声だった。いま電話があったということは納骨も終わったということだろう。耳の具合はだいぶよくなった。原稿依頼の返事に応える。酒とジェルを買った。¥500引き落とされてるが、なんの金だかわからない。13時、担当者のS氏来訪。モニタリング。終わって昼餉。届いたウォッカジンジャーエールで割る。革靴の汚れを拭い、蜜蝋を塗った。穴がある。整形靴の店にだしてサイズを変えてしまうしかない。父に電話した。やつは祖父さんがおれに電話したことを知ってた。癪に障るが墓参りにすることにした。ギターレッスン、フレーズの簡略化について。終わって酒を呑む。映画はだめになった。仕方ない。

04/20

 気がつくと眠ってた。6時半に起きる。朝餉。キャッシュバックが入るが、primeビデオの代金で引き落とされてしまう。残金¥6也。酒が呑めずにイライラ。朝寝。15時に昼餉。また眠ってしまう。19時半に起きる。夕餉。月曜まであと4日。ひたすら待つしかない。薬を嚥む。22時になったが、折坂悠太の配信はなかった。疲れたので眠ることにした。あしたは午前中、作業所へいく。口髭を剃る。

04/21

 0時16分、床に就く。なかなか眠れなかった。浅い眠りを繰り返し、6時半に起きる。mubiで映像作品「ソングス・フォー・ドレラ」鑑賞。無料のうちにmubi解約。朝餉。湯浴み。役所で手つづきをするために9時に外出。収入申告とマイナンバーカードの更新をする。ケースワーカーが不在、そして交代すると伝えられる。それから上沢へ。短歌をつくる。女装の中高年が隣に坐ってる。早めに切り上げて11時47分の電車に乗る。帰ると12時。plalaの請求書が届いてる。¥7,700ほど。昼餉。O女史のために年賀状の返事を書く。「人造人間キカイダー」を観る。それから「魔隣組」を観る。短歌を投稿したものの、まるでウケなかった。ブログの閲覧数も低迷。夕餉。薬を嚥む。それでも腹が減ってしまい、けっきょく鯖缶を喰ってしまった。3度の手淫

04/22

 0時に床に就く。2時56分、眠れずに起きる。ネット巡回。5時に朝餉。6時52分、ふたたび床に就く。9時に起きると寝汗で気持ち悪い。湯浴み。また左耳の難聴が少しぶり返してる。作業所には間に合うが、いってもなにもできそうにない。幸地クリニックへ。受診して、もどって、薬局に寄って帰ると、11時。原稿依頼はどれも不発に終わった。どうしようもない。薬を倍嚥んで眠った。起きると16時半。昼餉には遅いし、夕餉には早かった。17時になって夕餉をつくる。しかし猛烈に眠くなって18時まで眠った。それから夕餉を喰った。またしても眠くなって21時40分まで眠った。23時11分、また眠くなったので床に就くことにした。

04/23

 ほんとんど眠れないまま、3時半に起きる。朝餉。フジッリを茹でる。醤油ベースにカットトマトを和えて喰った。4時に床に就く。7時20分に起きる。2度めの朝餉。8時にまた寝る。10時25分に起きる。疲れがとれない。虚脱感でいっぱい。11時過ぎて図書館へ。行きは歩き。暑い。もう夏の兆しが見えてた。汗を掻き、「悪態の科学」と「大東亜戦争は日本が勝った」を借りる。12時の電車で帰る。冷房をつけた。昼餉。相変わらず、物足りない。服薬。動画を観て、時間潰し。早めに夕餉の支度。けっきょく早めに喰ってしまう。服薬。肉を解凍。大場久美子の「コメットさん」から、キャプチャ。プロマイドも買おう。
 22時、ツイキャス配信。ゲストに深尾貞一郎氏。葉山美玖氏に求婚したというエピソードを披露してしまう。なんとも恥ずかしい。石川県にいくという話があったが、長旅はもうごめんだった。過去に1度、ライヴ会場の設営で石川までいったが、えらいことだった。洗面台を掃除。それから湯浴み。

04/24

 火照った身体がなかなか冷めないので冷房をつけた。やる気もなかったが手淫。うまくイケなかった。失敗だ。PCを落として薬を嚥む。0時45分、床に就く。10時20分に起きる。朝餉。服薬。まだ眠い。PCを立ち上げたが、「信号なし」と来やがった。USBを抜き差し、画面はついたが読み込みにやたら時間がかかってた。おもわず、再起動。少し時間はかかったが、起動した。これからは再起動はやめておこう。リスクが大きい。また起動しなくなったら大事だ。12時、昼餉。半になって午睡。14時10分に起きる。まだ眠い。きょうも暑い。冷房をつける。16時になって夕餉の支度。17時まえには喰う。ギターの練習。じぶんのキャパに合わない曲をつくってしまった。21時17分、眠くなってしまった。時間の空費。22時58分、PCの電源を落とした。あした、金が入る。

04/25 

 しばらく本を読んでから床に就く。7時15分に起きるも、二度寝。10時5分まえに起きてしまう。朝餉。なんとか11時には上沢へ。1時間すれば金が入るというので、粘って短歌をつくる。終わって三宮へ。入金額はまえよりも減ってた。OASISジンジャーエールを買った。酒をやりながら大安亭へ。業務スーパーで、卵と冷凍野菜、餃子、鯖罐、ブナシメジ、マヨネーズを買った。ローソンでニッカを買って帰った。湯浴み。ニッカをジンジャーエールで割って呑んだ。残った金で酎ハイを買った。残りはカネコアヤノのライブで使う。小蠅が沸いて来て、鬱陶しい。夕餉を早めに喰い、ストークスの本を読む。読み終わって、もういっぽんのジンジャーエールも飲む。無駄遣いだ。腹が膨張してる。もっと痩せて、BMI25以下にしなければ。
 23時22分、PCの電源を落とす。

04/26

 7時5分に起きる。二度寝したかったが、きのうのように遅れてはとおもい、やめる。朝餉。服薬。でも朝寝。9時半に起きる。上沢へ。きょうで4度め。1時間、短歌をつくった。まわりがみんな動画編集をしてるというのに。帰る。昼餉。服薬。午睡。16時まで眠る。夢のなかで妹たちと諍いを起こした。本心ではきっとかの女たちを赦せないでいるのだろう。狡いとおもってるんだろう。早めに夕餉の支度。燕麦も残り少ない。しまった、使いすぎた。軽く見積もって4食分しかない。あと5日、どうするのか。ryinx氏から長い感想を頂く。それにしてもKindleでは収入にならない。オンデマンドで買ってもらってやっと金になる。墓参りの件はずっと音沙汰なし。診断メーカーの告げるように、祖父母の家を出禁にされてしまったのかも知れない。もうじき10日だ。また酒を買った。残った金はライブ当日の飲みものと喰いものに遣う。それからは時間の空費。短歌はあまりウケなかった。けっきょく、さらに酒を買った。これで飲みもの代はなし。残りでパンを買った。またも時間の空費。

04/27

 1時30分に床に就く。7時42分に起きる。朝餉。服薬。湯浴み。ブログの読者がひとり増えた。これで恢復。動画をいくつか観て、外出。上沢へ。きょうで5日め。工賃明細を貰う。また短歌をつくって投稿。11時24分の列車で帰る。パンを喰う。昼餉の支度。もう食料がほとんどない。肉は3つ、分割して喰うしかない。15時半には夕餉を済ませてしまった。パンも余分に喰ってしまった。日曜日の分がない。スマホのパケットを利用、電子チケットを得た。あしたでもよかったのに、待ちきれなかった。あとは時間の空費。ブロッコリーと固茹で卵を喰った。0時まえに服薬して、床に就いた。

04/28

 6時半に起きる。小便をして二度寝。8時10分に起きる。朝餉。ブロッコリーがなくなった。時間を潰して上沢へ。きょうで6日め。また短歌をつくる。終わって駅にむかったものの、24分の電車を逃す。32分ので帰る。昼餉。腹拵えをする。鯖罐がなくなった。パンも喰う。短歌を各所に投稿。13時20分より午睡しようとしたものの、眠れなかった。17時過ぎて外出。カネコアヤノの公演。11分の列車に乗り遅れ、21分の列車にも乗り遅れ、31分の列車で大阪へ。道をまちがえ、そのまま全然ちがう源八橋から中野町までいってしまった。交番で道を訊き、引き返す。天満橋筋で右折。難波橋から公会堂へ。30分超も遅れてしまった。いったい、なんのために地図を見たのか。どうしようもない方向音痴。指定された席は、ステージから見てど真ん中だった。せっかくいい席をとったというのに遅れるとは勿体ないことよ。それでも「グレープフルーツ」が聴けたことは不幸中の幸いだった。帰りに公会堂のスタッフに道を訊く。そとへ。少しして道を訊いた女性スタッフがでてきて、おれにさっきの案内がまちがいだったといわれた。帰りはさくさく進めた。御堂筋をたどればいいだけだからだ。こんなにたやすいことができないのは脳の不具合としかいいようがない。いったい地図から、なんの情報を拾って来たのか、疑問である。通りのなまえくらい憶えるべきだった。不測の事態にそなえてもっと早くでるべきだった。帰ってクタクタ。風呂の水を抜く。21時50分からツイキャス配信。裸で。喋ることがなくなったから19分でやめる。湯浴み。あがってSpotifyでカネコアヤノを聴く。

04/29

 夜食に固茹で卵をつくる。家計簿を検討。今月も酒で¥20,000以上も遣ってる。月¥2000以内に留めるべきだった。おとついの折坂悠太の配信を忘れてしまってた。4時まえに床に就く。10時過ぎに起きる。父から金を奪い、フォークで半殺しにする夢。まだまだおれはやつを恨んでる。雨降り。朝餉。きのうシャンプーで沁みた眼の具合がまだ完全じゃない。13時過ぎて午睡、16時まで眠る。雨はやんだが、風が凄い。17時に夕餉。きょうはまだ金曜日だというのに、喰うものがほとんどない。失敗だ。実家に電話してから10日経った。いまだに連絡がない。
 22時過ぎたが、三浦氏からメッセージはなかった。先週はきょうライブに感想も兼ねてやろうといってたが。22時40分に薬を嚥む。きょうはもう疲れた。寝る。

04/30

 二度寝して8時5分に起きる。怠い。地階まで降りてみたが、足腰が痛む。一昨日の運動で筋肉痛らしかった。加齢を実感する。朝餉。9時45分から朝寝。12時40分に起きる。昼餉。なにもする気になれない。14時35分、午睡。17時15分に起きる。なんだか輪郭がぼやけたような、あるいは見失ったような気分。夕餉の支度。終わってすぐに喰う。服薬。時間の空費。三浦氏から電話。「作品へのコメント」について訊かれたので説明する。ブログの読者が増え、ようやく75の壁に届く。クリエイター支援サイト「Ci-en」に登録。22時より配信。音声が繋がらなかったが、USBケーブルを機体のうしろに刺したら認識した。30分話す。次回のゲストにイカイカを指名した。
 23時27分、そろそろ眠くなって来た。2度も眠ったというのに。性欲はきょうも湧いて来ない。

 

群れたち

群れたち

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異端審問

   *


 黄昏よなべものみなうつくしく斃れるばかり 長距離の選手たち


 みどりなるひびきをもってゆれる葉をちぎっては占うなにを


 あかときの列車のなかに押し込まる自殺志願のひとの横顔


 花が咲いて 散るもの知らず故知らず ほらもうじき雨季来る


 枯れる湖水 もはやもどらぬひとためバケツいっぱいぶちまけてゐる


 母がまたぼくを葬るときが来る ベールの女立ちどまる度


 暮れる町 稜線はるか翳むころ球体以前の地球を臨む


 墓石や墓碑銘あらず名もあらず埋葬以前に打ち棄てられて


 星屑よ燃え尽きて猶わがよすがとおもう眠れぬ夜は


 ジャケットの襟を立てたりこの夜がわれのみにあれ われのみにあれ


 かすかな疵が疼くときわれはかぜを求める 神戸巡礼


 難聴のおもき真昼よ横たわるわれの手になにもなく


 ペパーミント・チョコレートでみずからを慰む午后の陽は虚構


 みずからの罪を贖うことすらもできず黄桃 救抜もなく


 みながみな内部に青い鳥を飼い世界の果ての駅舎に集う


 waltzing Mathilda 口遊む 旅を知らない世代の若人


 憐れみは酸っぱい果肉 夢魔たちの微笑顔をいま濡らしたり


 保護室の扉はおもい 春の日のれいこくなる看護人たち


 「殺せ 殺せ きみの愛するものをみな」うそぶきながら狂女昇天

 
 雨季せまるときの滴りわずかなる希望でさえもかりそめになり


 きみを抱く夢のかぎりに眠りたる終わりなき失寵のさなか


 ゆうやみの異端審問裁かれるきみの縛られた足がきれい


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