みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

映像についてのメモ

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 たとえば最初の光りの切れっ端が
 丘のむこうに落ちて
 弾けるとき
 おれはきみのことなんか忘れて
 マスキング液をフォルクスワーゲンに塗ってる
 だれかがおれのことをとやかくいうことはない
 いまではみんなおれを観ない

 映画みたいに
 ラジオみたいに
 ただ一方的に伝えるだけなら
 どんなに楽かと考える
 あらかじめ決められた科白のなかで
 くたばりたい

 かの女の新作はいまだ、
 封切りされない
 いまだ

 天使と猟師が婚姻を交わす
 入り江にむかう舟のうえ
 銃と羽を重ねあわせ
 しっぽりと

 水上を音楽してる波、やがて熱くなる湖水
 矢も盾もない、この瞬間を彩る映像
 ふたりを包囲する水鳥の声
 みんながカメラになって
 ぶら下がる、
 永遠の、
 スモモの枝で、

 いま。