2020-01-03 茫洋 詩 名づけられない ものに惹かれ、 るが そうなりたいとはおもえない くちびるから オレンジがめくれあがって、 わずかな熱量から 水上が 沸き立つ のに 麦には国がない ホテルの便所を占拠したい 分光器の子供たち あるいは大礼服の老人たちから奪って、 テレビ塔を建設したい くそ、 路上で乾ききった猫の 死骸とともに 茫洋と、 茫洋と、 しながら、 すべて、 の、 ことに、 眼を背ける、 深夜、 レスリング中継が うるせえ。