みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

no future for me

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 今月はきびしい。のっけから5万も蕩尽してしまい、喰うのにも困った。幸い、知人から金を借りられたり、ちがう知人から野菜を送ってもらったりで凌いだり、そしてきょうは炊きだしに並んだ。まったく久しぶりのことだ。そのいっぽう、ネット料金の請求書が3ヶ月分も来たり、電気料金の支払書が3通も来たりするのだからやりきれない。あいかわらず、歌集は売れない。あたらしい仕事に就くこともできない。室に残ってるのはジャガイモ2個と、玉葱2個、カップ蕎麦2つ、大根1本と来てる。ついてない。このブログだってそうだ。ちょっとまえに100を越したはいいが、それからずっと右肩下がり、☆だってつきゃしないんだから。もっと気狂いじみた情熱が欲しい。おれはなにごとにも熱くなれない。そもそもなにがまちがって、こんな情況にいるんだろうか。本も読まず、ギターも弾かず、狭い見聞のなかで悶えてる。兎にも角にも、こっから抜けだしたい。
 今年はなにかと金を喪った。港湾労働で得た金もけっきょく消えてしまった。手許にはなにもない。せいぜいのところ、古本ぐらいのものだ。そんでもって今月は冒頭にあるように5万蕩尽。そしてリュックを買うも、カメラ・リュックを買ってしまう始末。さらに軍用リュックを買うも、これが使いものにならない。口を閉じることができない。説明書もないと来やがった。それに月頭はアルコールにやられてた。どうしようもない。オークションで村瀬学「13歳論」を落とした。まだ読んでない。ぱらりと捲ったところで、寺山修司のなまえがあったので、その下りだけを読んだ。

 ところで文芸誌に応募した小説はけっきょく第1選考通過すらしなかったようでなんの返事も帰って来ない。まったくの問題外というわけだ。題名は「それはまるで毛布のなかの両手みたいで」。過古に書いたふたつの短篇にあたらしい短篇を挟んで中篇に仕立てあげた作品だった。けっきょくこれもこのブログに載せるしかないらしい。散文、そして物語るという行為はいつもおれをぐずつかせる。いったい、どうやって研鑽を積んでいくものなのか、わからない。一時期、「破滅派」という投稿サイトにも身を置いてみたが、文章のレイアウトが崩れるのと、反応のなさでやめてしまった。おれは「新アララギ」も、「現代詩フォーラム」も、「文学極道」もやめてしまったし、いまではこのブログとnoteだけしか残してない。もしかすると、あまりにも読者のコストを高めてしまったのかも知れない。ただいえるのはサイト巡回して、承認欲求を刺激することに厭いてしまってたし、拡散型の活動に疲れてしまったてたことは確かだ。いったい、なにを好き好んで文学の玉袋に手を突っ込んで来たというのか。なにもかもが時間の浪費でしかないみたいな気分になってしまう。──そんなことを考えながら、おれはまたしても「破滅派」の同人になってみた。そして作品を投稿した。レイアウトはでたらめもいいところで、これなら「現代詩フォーラム」のほうがよっぽどまともな成りをしてる。ついでにほかの投稿も覘いてみた。みな、おれみたいに長くはなかった。掌篇ばかりだった。またしてもやらかしたというわけだ。こうやっておれは承認欲求の罠に陥るんだよ、ルゥー。
 てなわけでおれはまたもひとり呻吟するってな、塩梅だ。売れない歌集、弾けないギター、書けない小説、描けない絵、ウケない写真、喰えない日々、立体造形を学びたい、エトセトラ、エトセトラ。こうして、われわれはほとんど疲れ切って、他人を気づかうとか、認めてやるということを忘れてしまう。せいぜいのところ、鼻を弄くりながら、「酷評家」を気どってみせるのが精一杯だ。

 2年まえ、青森の詩人・佐々木英明はいった。「森さんの弟子だったら、童話とか小説を書いたほうがいいじゃない?」。たしかにそうなのかも知れない。けれども物語を紡ぐには耐性がなかった。それなりの幅を持ったものを書くには構成力も足りなかった。すぐに厭きてしまうし、どっかへ逃げてしまう。そういった尻込みを越えて書く意志をおれは求める。しばらくは生きて、喰っていくためには書かなければならない。作品と呼び得るものを書き、金に変えていかなくてはならない。そのことにすぐれた同時代人が、同世代が、過ぎ去っていくなかで、もはや逃げる場所がないことに気づく。おれは嫉妬深い。もうなにもかも遅いのかも知れない。それでもおれは肉声を以てして書かなければならない。途中下車できるときはもう過ぎたからだ。
 きょうの炊きだしはカレーだった。ひさしぶりに米を喰ったら、胃がやたらに重たかった。ボランティアには小学生の少女たちがいた。だめな大人たち、そしてだめなおれは気にしないそぶりで昼餉を喰った。未来のない人生、そしてそうではない人生たちとの邂逅の場面だった。室に帰ると、ぷららからの請求が来てた。今月で4通めだ。とてもじゃないが払えない。なぜ引き落としができてないのか。これはクレームを入れるしかない。とてもじゃないが1ヶ月に4万ちかくも払ったら、なにもできない。いろんな意味で頭が痛い。使える色が少ない。それでもおれは書きつづけるだろう。結句、それしかない。来月から金を溜めよう、PCを買い替えよう。働きにでよう。からだを鍛えよう。ケトジェニック・ダイエットを2週間やろう、それからローファット・ダイエットを2週間やろう。ギターの弦高を下げよう。業者に任せよう。歌集を各所に送ろう。あたらしい情況、あたらしい関係性、あたらしい知見に触れよう。段階的にできることをできるうちにやるしか、おれにはおもいつかない。もし、憐れだとあなたがおもうのなら、金でも食料でもいいか、送ってくれ。さもなくば、とっておきのコメントでも書き残すがいい。必要なのはみずからを験すことだ。験してるあいだにきっとなにかいいものにぶっつく。──いまおもえば港湾労働の賃金を、小まめにAmazonギフト券にでも換えておけばよかったのかも知れない。でもそれは終わったことだ。終わったことを考えつづけても仕方がない。いまは前を見て歩くしかない。

 

『君たちはどう生きるか』に異論あり!

『君たちはどう生きるか』に異論あり!

 


bloodthirsty butchers - no future (single version)