みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

貧しき詩集(2007)

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  すずかぜや眠る男の夢に吹き一瞬の絵を描きて去るかな

 


 少年の一人の赤きまなこもてピカソの青に病むころもあり

 


 他人の手求む一人の夜行より月の光のをはりへ急ぐ

 


 しぐれさす詩の一行の終点をどこに打つかな寺山修司

 


 雁帰る何処ぞと問うも声はなし大方貧しわれらの詩集

 

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