みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

黙する、まなざし

 

 黙する、まなざし

 またたきの天体

 おきざられた観覧車が、

 さまようぼくを照らす夜

 かわるがわる、

 飛びかかる過去やらきみやら、

 流動体みたいなスカーフ、

 色のないスコール、 交わって。

 

 おはようございます、

 はじめまして、

 ぼくはうれしい、 どうぞよろしく、

 いつだったか夢のなかで

 足踏みオルガンを弾きながら、

 教室から落ちていくきみを見た

 あれから幾年、 ぼくはこの場所に着いた

 

 きみの黙する、まなざしよ

 もはやなまえすら喪って、

 ぼくはやってきた

 ふるい階から

 帽子を片手にして、

 混じりけのないスコッチを

 きみのスコアに叩きつけてあげる