黙する、まなざし
またたきの天体
おきざられた観覧車が、
さまようぼくを照らす夜
かわるがわる、
飛びかかる過去やらきみやら、
流動体みたいなスカーフ、
色のないスコール、 交わって。
おはようございます、
はじめまして、
ぼくはうれしい、 どうぞよろしく、
いつだったか夢のなかで
足踏みオルガンを弾きながら、
教室から落ちていくきみを見た
あれから幾年、 ぼくはこの場所に着いた
きみの黙する、まなざしよ
もはやなまえすら喪って、
ぼくはやってきた
ふるい階から
帽子を片手にして、
混じりけのないスコッチを
きみのスコアに叩きつけてあげる