みずから書き、みずから滅ぶってこと。

中田満帆 / a missing person's press による活動報告

詩作品

そして遊戯は終わる

詩集「世界の果ての駅舎 詩群2014-2016」あとがき どうしてこんなにも警官が多いのか。やつらの車はわたしが坂を降るたびに、角を曲がるたびに、そして大通りで信号待ちをしてるときにも現れる。回転灯を光らせ、静かに。加納町交差点にいたマル暴は消えた。…

きみにとっておれが善良でなくとも

すべての郵便局が驟雨に呑まれてしまうまえに メルセデスを叩き潰し それからふたりで甲殻類を喰いにいこう 文鳥が鳴きやむまで 腹いっぱい タクシーは油虫みたいにロータリーで睦む けっきょく選択肢はどこにもない あるいは恋人たちとともにして アスパラ…

黙する、まなざし

黙する、まなざし またたきの天体 おきざられた観覧車が、 さまようぼくを照らす夜 かわるがわる、 飛びかかる過去やらきみやら、 流動体みたいなスカーフ、 色のないスコール、 交わって。 おはようございます、 はじめまして、 ぼくはうれしい、 どうぞよ…

夏の定型詩

短歌 真夏の死たとえばぼくの万華鏡いつもみたいにきみが視えない けものすらやさしい夜よみずからを苛みながらも果実は青い 森番のひとりのかげを手斧もてわかちつつある狩人のぼく まだ解けぬ方程式も夕暮れてきみのなまえのなかに眠れる 神殺むるときを経…

ニューオーリンズ

ニューオーリンズの日々についてブコウスキーは語りたがらない あるいは語るべきものがあまりないのか 5セントの棒つきキャンディを嘗め 空腹を抱え 書くためだけの時間を求める あるいは子供たちに追われて、 酒屋のなかへと逃げ込む 果たしてすべてはおも…

清順が死んだあとに

映画音楽というものはおそらく 残り香に過ぎない フィルムにしたっていつかは滅びて 棄てられる 多くのひとの夢は わたし自身の夢と拮抗し、 またちがった現実と入れ替わって、 まざりあうだろう だからなにも悔やむ必要はないんだよ いっときの愉楽のために…